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「母は強し」は結果論

先日、呼びかけさせてもらったヒアリングと、新規事業提案プログラムの審査が終了ました。

https://note.com/tamas29/n/n15eb89f76e64


延べ20名のママさんたち(一部パパ)にご協力いただくことができました。ご協力くださったみなさん、本当にありがとうございました。


今日は、検証したかった仮説は実際のところどうだったか?ヒアリングの結果をまとめてみたいと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。

仮説0:育休中で一番つらいのは孤独感


はっきりと明記していませんでしたが、一番つらいのは孤独感だと考えてました。具体的には、他者に承認してもらえないこと。で、実際はどうなんだろう?ということで、「一番つらかったのは何ですか?」という質問を共通してさせていただきました。

結果はこちら。
承認→8名
存在価値→4名
自己実現→5名

  • 「今日は○○だったよ」とパートナーに伝えても、わたしへの返事ではなく赤ちゃんにしか話しかけない

  • 大人と会話できないのがつらい

  • 生産的活動を何もしないまま一日が終わることがつらい

  • 慣れない・終わらない育児をひとりで頑張ったことについて誰からも認められない

  • 新しい出会いや価値観に触れることがない

  • キャリアの中断について焦り

※承認されたい・存在価値を認められたい・自己実現したいといったそれぞれの欲求はどれも複雑に絡み合っていて、複合的。でも、しいて言うならどれが一番強そうかな…?という点で勝手にジャッジしてみました。

自称共感性高めなので、ヒアリングでママたちの悲痛な声を聞いているといとも簡単にその場面が想像できてしまい、心が持っていかれちゃいそうで大変だった…。

とくに一つ目のパートナーが赤ちゃんにだけしか話しかけない問題。これはえぐい。パートナーが完全に無意識でとっている行動ですよね。だからこそ根が深い。。あれ、わたし、ここにいるよ…会話してるのに孤独…って辛くなる。。

(赤ちゃんを迎える予定のパパさん・・・聞こえますか・・・必ずママに対して会話するのですよ・・・)

仮説1:孤独の理由は自己開示できないから

さてさて、まずは仮説1の検証をします。仮説1「孤独の理由は自己開示できないから」について、ヒアリングの結果は以下の通り。…おおむね○ではあるものの、自己開示できればそれで満足!ではなく、自己開示の先にある「相手からの承認」が欲しいという声が多い傾向でした。

○:8名
△:7名
×:2名

  • 実家の近くに住んでおり、大人との話しができるひとはそもそも孤独を感じることが少ない傾向

  • 孤独感を覚えたママたちは、まずパートナーに対して自己開示を試みる

  • しかし、習い事を始めたり友人を自宅に招いたり一時保育を利用して外出したりと外に対する行動をとる人が過半数。ただし、そこで「つらい」という自己開示をできたかどうかは別


ほとんどのひとが、大人と物理的に話せる環境を自ら作っていました。でも。ヒアリングとしてはそこ止まりじゃなくて、その中身として自己開示できたかどうかまで掘り下げればよかった…と反省。💦
また、行政サービスの一環である児童館や子育てセンターで、同じ赤ちゃんのママたちと出会う場がありますが、その感想も三者三様。子育てあるあるで意気投合した!すっきりした!というママもいれば、中身の薄い会話はできたけど…まあ、一回だけしか行かなかったというママも。

どんな嗜好性で↑ママたちが分けられるのかなど分析するのも楽しそう打なと思いました。

仮説2|つらいと言えないのは、母は強くなければならないという価値観が無意識化にあり、それに反する言動をしたくないから


つづきまして、仮説2の検証。仮説2「つらいと言えないのは、母は強くなければならないという価値観が無意識化にあり、それに反する言動をしたくないから」について、ヒアリングの結果は以下の通り。

おおむね○・△ではあるものの、母たるもの強くあるべき!ではなく、子育てはこうするべき!といったべき論に縛られている人が多い傾向でした。
○:6名
△:7名
×:1名

  • インスタに生息するキラキラママと自分を比べてしまう

  • パートナーとの経済的格差から、育児に注力する役割を期待されている(と思い込んでいる)

  • 子育てのべき論としてはネット上の情報や、自身の親の価値観の影響を受けている可能性が高い

  • 他のママと比べて自分はまだ楽なほうだから…と我慢しがち

  • 弱音を吐いたところで「みんなそんなもんだよ」と言われそうで怖い

  • かっこわるいこと(弱音)を言いたくない

一方で、「子どもの前でスマホいじるのだめですか|たまちゃん|働くお母さん|note」で書いた通り、正しい自己理解と正しい自己承認をされているママは周囲のべき論を流し聞きできており、呪縛のないストレスフリーな子育てをされている印象を受けました。


仮説3|やっぱりパートナーと理解し合うことが一番


最後の仮説は「やっぱりパートナーと理解しあうことが一番」というもの。

結果は以下の通り。おおむね○ではあるものの、一方で×とはっきりしてる人も一定数おり、ばらつく傾向でした。
○:8名
△:4名
×:4名

  • 長期的に考えると、理解しあいつつ共感もしてほしい

  • パートナーと話しあいたいものの、どうしても感情的になってしまうが、まだあきらめていない

  • パートナーと理解しあうよりも先に、まずは自分自身に関心を向けることが大切

  • 理解しあいたいが、それ以上に子育てに関して実働してほしい

  • 何度もコミュニケーションを試みるも絶望した。もうパートナーとの関係構築はあきらめている

  • パートナーはいないものだと割り切っている


×のママたちの話をお聞きして思ったのが、「母は強し」は結果論なんだろうなということです。もともとはママたちは全然強くなんかなくて、でも目の前にいる子どもを生かしていかなければならない。どんなに頼りたくてもパートナーがいない。結果、パートナーがいなくても子育てできるくらいに強くなったんじゃなかろうか、と思いました。気を付けたいのが彼女たちを憐みの目で見てほしいのではなく、それはそれでベストな結果だったということです。強くなれたママも、よわよわのママも、自分を自分で認めてあげてほしいなと思いました。みんな頑張ってるよ、かっこいいよって、伝えたいです。



以上、いったんのヒアリングのまとめです。
個人的なお話をしてくださったママたち、本当にありがとうございました。どうか審査が通過し次のステップに行けますように…🙏


おしまい

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