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プロセスを楽しむ生き方-集中力を取り戻せ-

わたしは、集中力が欠如している。なぜか常に退屈を感じ、無意識に別の作業を始めてしまうのだ。ラジオを聞いててもSNSのタイムラインをスクロールし、会議で資料の説明がなされても別件の返信や作業をし、今こうしてnoteを書いててもテレビで録画を再生してしまう。そう、その結果、すべて中途半端になるのだ。テレビは消した。

多感な時期から常時接続の世界で生きてきた弊害なのだろうか。谷川嘉浩氏は、常時接続の世界で孤立できないから没頭できず、そのためさみしさ・退屈感、虚無感を覚えるものの、それに耐えきれずまたスマホをさわる。そして孤立できず…というループを描いていると指摘する(常時接続の世界で我々が失ったもの)。去年からはラジオや動画は等倍速再生することにしているが、染みついたコスパ・タイパ・生産性向上文脈からは逃れられそうにない。そういえば音楽を聴かなくなって久しい。


先日、久々に映画を観た。2年前の子連れアンパンマン以来だった。前日には座席を決め、チケットを購入した。約束した時間にパートナーと待ち合わせ、ベタにポップコーンと飲み物を揃え、スマホを機内モードにした。上映中は爆発音にしっかり驚き、グロ系描写には目を背けた。しかし、心を揺さぶらる場面で自然と涙を流した。この感覚は、長い間忘れていた「没入感」だった。

プロセスは、コンテンツそのものだけでは為しえない場所に我々を連れ出してくれる。自宅にいながら簡単にコンテンツに触れられる便利な時代で、あえて時間とお金をかけて足を運び、手間をかけること。省略できるはずのこのプロセスにより、わたしたちは体験をより深く味わい、強い感情に動かされるのだ。

この映画体験に味を占めたわたしは、本も電子書籍ではなくリアルな本を求めるようになった。(映画「ラストマイル」の内容に影響を受けすぎている可能性も大きい)ネットで触れた面白そうな本はその場でポチることなく、読みたい本リストをこしらえ、本屋に出向き、一心不乱に探す。そして所望の本を見つけた時の幸福感と、置いていなかったときの絶望感に踊らされる。これもすべて価値なのだ。(ちなみに、読了後も「この本はあの時あの本屋でやっとみつけた本」というタグが付き、手放せなくなる。)


電子書籍や動画配信サービスといった、コンテンツ取得という目的を達成するためのツールが普及されて久しい。しかし、これらは面倒で時間がかかるプロセスが目的になり得ることを見落としている。コンテンツを消費することだけが目的ではなく、そのためのプロセスが大きな喜びや価値を生み出すということだ。こうしたプロセスを経ることが退屈感を遠のけ、目の前のことへの集中を呼び戻してくれるのではないだろうか。だからこそ、これからはコンテンツに触れるとき、あえて時間をかけてプロセスを楽しむことを大切にしたい。いまの時代の文脈の中で、あえてプロセスを目的に格上げすることこそ、わたしがこれからやるべきことなのだろう。これが、集中力の取り戻し方だ。


おしまい

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