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【アート思考】論理の限界を突破①忠実な再現こそが素晴らしいこと?

先日行ったアートアクアリウム展での失敗談・・・↓

「このままでは頭の固いサイエンス型人間のままや・・・なんとかして美意識をたかめたい」


と思っていたところ、「13歳からのアート思考」に出会いました。


この本、めちゃくちゃ面白かったのでしばしお付き合いいただければ幸いです。


私たちが見ていた「アート」はほんの一部だけだった

タンポポと言われると、あの、地面から顔を出した鮮やかな黄色い花を思い出しますよね。

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しかしこれはタンポポのほんの一部なのです。地中には、まっすぐと、深くて太い根が長く続いています。また、あの黄色い花を咲かせている期間は一年のうちたった一週間程度。
あの黄色いタンポポは、空間的にも時間的にも、ほんの一部・一瞬を切り取ったものでしかありません。

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これ、アートの「作品」と一緒なのです。
アートを植物に例えると、アート作品は地上のタンポポのように、ほんの一部・一瞬を切り取った「表現の花」。実はそのすぐ真下に好奇心などの「興味のタネ」があり、根っこには「探求の根」があるのだそうです。
そして、アートの大部分を占めるのは、タンポポと同様に「探求の根」なのです。

アート思考って何?

アート思考とは、興味のタネから探求の根を張り巡らせることです。つまり、タンポポの地下部分のこと!アート思考は、時代・状況・人によって変化するし、変わることこそに意味があるのです!

しかし!このアート思考。昔からあったわけではありませんでした。


すばらしい作品ってどんなもの?20世紀までのアートのゴールは「生き写し」


昔々、ルネサンス時代の画家は、宗教画や自画像を描くように注文されていました。つまり、自由に好きなものを描いていたのではなく、当時のお金持ちたちのニーズに応じた作品を提供していたのです。

当時の画家に求められていたものは、個性的な表現ではなく、生き写しであるかのような本物そっくりの表現だったのです!本物そっくりの表現こそ、当時の彼らのゴールでした。

これを、著者は揶揄してか「花職人」と呼んでいます。面白いネーミングですね!

画家の存在意義

しかし!20世紀初頭に大衆に広がった「カメラ」。
これにより、
画家たちの存在意義は何か?
アートにしかできないことは何か?

考え直さざるを得なくなりました。


花職人からの卒業

そして、アンリ・マティスという画家がひとつの答えを見出しました。

決して美しく、上手くはなく、そして全く似ていない。当時は酷評だらけ。マティスは妻の肖像画を描いたのでした。↓

緑の筋のあるマティ夫人

当時の「生き写し」というゴールからはかけ離れています。けれど、本物そっくりにするために色を使うのではなく、ただ色を使うだけ。という自分なりの表現をしたのです。そして、これまでのアートの常識であった

「すばらしい作品とは、見たそのままを描くこと」

を否定するに至ったのです。

この作品は「表現の花」を咲かせるまでの「探求の根」をしっかりと伸ばし、結果、自分なりの、マティスなりの答えを出しました。


それ以降、アート思考の領域に多くの画家が足を踏み入れたのでした。



続きます・・!



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