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燃え尽きないために ~対人援助職~

 以前から友人たちに忠告されていたことがある。「絶対に向いていると思うけど、仕事に入り込み過ぎてバーンアウト(燃え尽き症候群)しそうで心配だから、福祉系の仕事はやめたほうがいい」と。

 2年前から福祉系の就業支援職に就いている。入職する際、友人たちの言葉が何度も脳裏をよぎった。燃え尽きてしまうのだろうか?何をどうすれば防げるのか?「あまり頑張りすぎないこと」といったアドバイスをいただいたこともあるが、いつも120%の力で仕事をしたい私にとって、力を抜く加減がわからない。相談者のために全力で仕事をしながら、燃え尽きない方法を模索する日々が続いた。

 正直、最初の1年は危ない時期が何度もあった。それだけ仕事に打ち込んでいたとも言える。やりがいを感じ、生涯をかけて取り組みたい仕事なのに、ここで燃え尽きてしまってはどうしようもない。自分なりに考え、周囲のアドバイスを取り入れながら、つかみ取った3つの工夫。

①仕事のオンオフを明確にする。

②解決志向で物事をとらえる。

③プロの手を借りる。

 ①「仕事のオンオフを明確にする」は、仕事を終えて一歩外に出た瞬間、好きな音楽を聴くことにした。今日携わったケースについてあれこれ考えたくなるし、もちろんその日のうちに振りかえりの時間を設けるが、それは今ではない。サッと気持ちを切り替えて、音楽に浸る。いろいろあっても楽しい時間を用意することで考え過ぎないことを意識した。

 ②「解決志向で物事をとらえる」は、職場のベテランキャリアコンサルタントからいただいたアドバイスだ。私も人間だから、相談者とのかかわりの中で深く傷つくこともあった。その際に指摘されたことは、「相談者が何に不安を感じ、何に困っておられるのか・・。そこに注意を向けたいね。」と。自分の感情は横に置く。その上で相談者の不安や困りごとに注意を集中し、共に解決していくことが重要だと教えていただいた。行き詰まるたびにその言葉を思い出し、相談者と同じ景色を見ながら、同じペースで進むことを意識した。そうして解決する道を共に探していく。支援者は黒子だと徹底することが、自分の感情を守ることにもなっていると気が付いた。そのかわり、休日は自分と向き合い、感情を大切にする。これができるようになってから、仕事はかなり楽になっている。

 ③「プロの手を借りる」は、月1でコーチングを受けている。知らず知らずのうちにズレが生じているかもしれないから、軌道修正をするためプロの助けを借りている。

 好きでやりがいのある仕事だからこそ、長く続けられるよう工夫が必要だ。心身ともに健康でなければ質の高い仕事はできないから、自分のメンテナンスを意識的に行うことで、燃え尽きないようにしていきたい。初心者マークの頃は誰しもこの問題にぶつかると思う。そんなときはこのnoteを思い出してもらえたら嬉しい。燃え尽きてしまう前に。ひとりじゃないからね。

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