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ナスとピーマンの味噌炒め お土産の味きっと思い出に #まいにち土鍋

もう20年くらい取り寄せている無農薬野菜の農家から大きくて鮮やかなナスが送られてきたので、できるだけ野菜が主人公になる料理にしたいと思った。出かけた帰りに、色味と歯応えのためにしゃきっとした緑と赤のピーマンを買い足した。

青年は、小中高校のころから、合宿旅行など、親なしで毎年どこかに旅に出ており、小さなお土産を買ってきてくれたものだが、おもしろいことに塩や醤油や味噌など調味料的なものが多かった。わたしの喜ぶポイント知ってるな。

先日、すっかり成人した彼が出張先で買ってきてくれたお土産も、もれなく、しかも連続して、味噌系の調味料だった。ありがとう、うれしかったよ。

名古屋土産



家族3人で23年間弱、食事を摂ってきた。大きくなるまで父親は夕食時に帰宅できずほとんどいなかったな。仕事をしながら一人で暮らしをまわす。いまでいう「ワンオペ」と言うものだったのかもしれないが、そんな名称もなかったので平常心であったようだ。

これもそれもどれも永遠でない。あと1ヶ月ほどで家族で食事できる極普通のまいにちもなくなる。成人して3年も経てば親の出る番はとっくにないのだが。栄養を与え育てることの終焉。

家族のなかでは、仕事をしながらたまたまごはんもつくる親だったが、0歳のころから「つくり手」と「食べ手」のような考え方をしてこなかった。上げ膳据え膳はないぜよ!と叫びながら「食べることは生きること」と謳ってきた。古典漢方を学び始めたのも、ここにある。栄養を与え終えてからは、みんな平に「生きることは食べること」を楽しみたい。

まいにちの料理というものは、決して親の味を押し付けるものではないと思っている。調味料のお土産は、自炊の一歩だったのだと思う。自炊には、必ずヒントがあって、ひらめきが必要なのだ。

7月28日(木)
盛る「土鍋コッチョリーノ2合炊きサイズ」




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