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やさしい土鍋とうぬぼれ #まいにち土鍋

土鍋とうぬぼれ

「ガスコンロをIH調理器に変えられますよ」と、介護サービスのかたが言ってくださったので、娘コッチョリーノとしてIHで土鍋が使える道具がないかと奔走したが、手遅れだった。いや、手遅れとか、機会損出とか、そういうことではなかったのだ。いや、今ならわかる、炊かないのでなく炊けなくなってしまっていたのだ。

食べることが好きだった母。料理もひと通りつくってくれる人だったが、ごはんを炊かなくなってしまったのは、あの時からだったかな。

「ごはんだけでも炊いたら?」なんて、ナンセンスだった。もちろんレンジでチンでも、炊飯器でも、デリバリーでもいいと思って言った。できればミニ土鍋コッチョリーノ(1合炊き)で、楽しみながら0.5合でも1合でも炊くと良いよ!セイロも便利だよ!とプレゼントしたのだけれど、できなくなったらできないんだ。どんなにアイデアを出されても、励まされても、できないのだ。

みんな生きるのに必死なときがある。子育て真っ只中、制作が最高潮に忙しくなったときや、展覧会中も同じだった。お財布をみて中身がさみしいときだってそうだった。胃を全摘出した友に土鍋のおかゆを薦めたこともあるけれど、いざ、どんなことを言われてもできない日がある。

株式会社オーシン「IH炭かまど®︎」
コッチョリーノエディション


やさしい土鍋

食べるということ、料理するということは、どんなに簡単といわれても、その人の立場にならないとわからない。仮説思考でものをいっても、その問題は解決しない。

土鍋コッチョリーノのやさしさは、解決法だけでなく、次のステップに進みたいと思っている。土鍋という共通物を中心に語り合えればいい。「うつわ(土鍋)コッチョリーノは広場」という大学の卒業制作から言い続けたコンセプトにどんどん戻ってくる。「寄り添う土鍋」という気持ちは、つくろうね!だけではない。一緒に悩み、ときにはわたしの気持ちも吐露しながら、土鍋の中にいれて温めたり冷やしたりしちゃおうよ。ときに蓋もしめちゃうよ。

炊けるときに、食べられるときに、そのときを楽しむ。ちょっとつらいときに、土鍋コッチョリーノと過ごしてもらえれば本望だ。


食べたい分だけ

最後に、コッチョリーノご愛用者さまがうれしい炊き方をしていたのでご紹介。食べる分だけ、炊いてみようよ。

土鍋コッチョリーノご利用者さまには、超ご多忙なかたが多いのも事実。多様な事情があるなかで、ああみんな食べられている、疲れているのに、暑いのに料理できたんだねと思うと、本当に嬉しい。

もっともっと、やさしい土鍋になれますように。


7月18日(月)
炊く「ミニミニ土鍋コッチョリーノ0.5合炊きサイズ」



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