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出雲大社へゆく③〜銅鳥居をくぐり御本殿へ〜

四つ目の鳥居 銅鳥居の前に立ちました。

いよいよ銅鳥居をくぐります。
向こうに拝殿や御本殿がみえます。

鳥居をくぐったときから、一面に青い空が広がりました。
松にかこまれていた時と一転、
大きな別の世界の中に入った感覚です。

風がなく、時が止まったような、ゆったりとした、穏やかな
柔らかい世界。

静かな場所。人の声も聞こえない。

なだらかな曲がりの屋根が見えます。
大きな拝殿がありました。

注連縄が太くて美しい。(下の写真は『古事記🔴日本の原風景を求めて』のもの。わたしはカメラを持てなかった。神々しくて)

拝殿でお参りしてから

御本殿へゆく

御本殿はとてもとても大きいです。大社造りとよばれる日本最古の神社建築様式で、高さは24メートル。
御本殿は広い囲みがされていて、わたしたちからは屋根だけがみえます。

わたしが心に残ったのは屋根の柔らかさ。
厚さ1メートルのひわだ(ヒノキの皮)葺きの屋根だそうです。ひわだ葺きの屋根が趣深く、優しくて温かみのある建物でした。

御本殿の前にあるハ足門でお参りします。

御本殿の周りを歩きました。

周りには社があります。

『十九社』。
全国から八百万(やおよろず)の神さまが宿泊する社です。
横にとても長く(十九の扉があるから)、木で造られた簡素で温かみのある社でした。
神さまが泊まると思うとユーモラスで不思議な気持ちになりました。「千と千尋の神隠し」を思い出しました。

ちょうど御本殿の真裏にある社は

『素鵞社』(そがのやしろ)。
スサノオという、ヤマタノオロチを退治した神さま。大国主命の父神が祀られています。

わたしは何も知らずに通りました。(今思えば申し訳ない。)

ちょうど真裏で、ひっそりとしていました。ひっそりというか、風もなく、生き物がなく、木々も揺れない。

わたしは『素鵞社』の通りが最も異空間に感じました。

ここは人の住む世界ではない。

『素鵞社』の背後は八雲山。八雲山は禁足地で人は絶対にいない。夕方の黄昏どき、通りの前後、人は誰もいませんでした。
あまりに静かで音が全くなかったので、自分もいなくなるような気持ちになりました。とても不思議な体感でした。

怖れはないのですが、異世界をくぐりました。


その通りを曲がると、人の姿が遠くに見えて戻ってきたような気持ちになりました。

ぐるっと周り終えると、人々もわたしも穏やかで出雲大社の自然と一体になっていました。

思えば、出雲大社を含む大きな空間に黒い色のものは、ありませんでした。自然界に黒は存在しないんだ。夕方までは。

出雲大社に優しさを感じたのは、造りが自然な素材を活かしていて、威厳をつくろうとしていないから。ひとつひとつの殿堂や社は、木々や藁の素朴な美しさを丁寧に積み重ねられて、穏やかに鎮座していました。
これまでどれだけの多くの人々が、何千年もこの生きた素材の美しさを守り、維持し続けてきたろう。と思うとじわじわと感極まるものがありました。

出雲大社は、温かく、穏やかで、柔らかい世界でした。

出雲大社をずっと支えてきた神さまと人々に感謝します。


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