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京都の老舗酒蔵として、絶対にやらなければならないこと。SAKEでつながる。

創業350年 京都伏見 玉乃光酒造の副社長🤗
他では聞けない日本酒と酒かすの話。
オーガニックと発酵研究中🌱
今まさに全力疾走中のプロジェクトの実況生中継を熱くお届けします! 


京都市は昨年2020年、世界一魅力的な都市に選ばれました。

美しい建物、長い歴史、守られ続けてきた伝統…

玉乃光酒造は、そんな京都で同じく長い歴史を重ねてきた企業のひとつです。


以前の記事で、

われわれ酒造の役割は、酒を通じて人と人のつながりを生み出すこと。
人と人のつながりを生むことで、初めて感動を生むことができる。

そういった話をしました。


そんな人と人をつなぐことができるお酒で、京都の歴史を未来につないでいくことに貢献できるんじゃないか、と考えています。いや、それこそが私の使命なんではないかなと。

今回は、そんな私が考える京都とお酒のつながりについて、お話したいと思います。


私と京都のつながり

私が最初に京都に関わるようになったのは、大学院を卒業して社会人になったとき。

私は当時公認会計士として、京都四条烏丸にある監査法人で勤めていました。京都の名だたる有名企業とお付き合いさせて頂く中で、社会人として育てて頂きました。

その後、一度京都を離れ、大阪のコンサルティング会社に転職し、多くのクライアントのお手伝いをする一方で、自分自身も経営の難しさと、価値を生み出すことの奥深さを学びました。

そんなクライアントのひとつに神戸で飲食業を営む会社がありました。そのK社長から事業の社会的意義の重要性と、人と人とのご縁を大切にすることを教えて頂きました。そんなご縁が続き、現在もその会社の取締役を勤めさせてもらっています。そのかたわら、家業である玉乃光酒造の顧問としても関与させてもらっていました。

そして、昨年コロナウィルスの蔓延により、私の人生は大きく転機を迎えることになります。

日本酒業界はもともと、市場が小さくなり続けており、現在ではピークの三分の一程度まで落ちています。そこにコロナウィルスの蔓延により、実質的な禁酒法時代に入り、業界は大打撃を受けました。もちろん、玉乃光酒造も例外ではありません。何とかこの危機を乗り越えるために、私も経営に携わることになりました。

社会人になったときから住んでいた京都に愛着を感じていた私は、玉乃光の経営に関与することをきっかけに、京都という街と共に生きていくことを決意しました。


人と人をつなぐ

私が玉乃光酒造の経営を通じて、京都という街に貢献していきたいという想いが強くなったのは、現在も私が取締役として関わっている飲食業の会社のK社長の想いを聞いたときからでした。


K社長が、常日頃から大事にしているのが「人とのつながり」です。

よく、「ビジネスを成功させるためには、人とのつながりを大切にしなさい」というような話を聞くことがありますが、K社長がいう「人とのつながり」はビジネスにおいてだけの話ではありません。


ビジネスに留まらず、人間が生きていく上での幸せは、すべて人とのつながりから生まれるということ。

家族、恋人、仲間たちと、本気でぶつかり、本気で怒り、本気で悲しんで、本気で笑い合うことこそが大切ということ。

人はいつか死ぬ。いくらお金をもってようが、いくら美味しいものを食べようが、どんなに立派なことをしようが、人とのつながりが無ければ、本当の幸せを感じることはできないということ。


私はそんなK社長の話に深く共感したのと同時に、酒蔵だって同じなのではないのかと感じました。

仕事終わりに仲間と乾杯したり、結婚式で祝杯をあげるときや、別れを惜しみながら思い出に浸るときの、大切な「つなぎ」となるのが、お酒。

自分はお酒を通じて、まずは自分自身が思い入れのある京都で、もっと多くの人と人とのつながりを作っていきたい。

そう強く思うようになったのです。

京都の歴史をつなぐ

京都は1000年以上もの伝統を、過去から未来につないできた古都。文化財が多い京都は第二次世界大戦の空襲も限定的でした。京の都として、ずっとずっと大切にされてきました。そんな京都には、人と人とがつないできた歴史や伝統、想いがたくさんあります。

玉乃光酒造も、340年以上想いをつないできた酒造。

そんな歴史ある酒造で、自分が歴史を背負っていく立場になった今、つなぐことの重さや価値をよりいっそう強く感じるようになりました。

なんとしてでも次の世代につないでいかないといけない。

そして同じように、京都には、歴史と伝統を自分で途絶えさせるわけにはいかないという想いで戦っている人たちがたくさんいます。


京都が、昨年世界一魅力的な都市として選ばれた理由。

それは、建造物や町の美しさの部分だけではなく、人と人とが懸命につないできた想いが形として残り続けているからだと私は思うのです。

そして、そんな京都の魅力を守り抜いていく中で、お酒が果たす役割は大きいと思っています。

私は新たな玉乃光酒造のビジョンとして

「SAKEでつながる」

を掲げました。

つながるという言葉には、いろいろな意味を込めています。

SAKEは、過去と今、未来をつなぎ、日本と世界をつないでいます。
そして何より、造り手である私たちとあなたをつなぎ、あなたと誰かをつないでいく。

京都という土地で、SAKEを通じて、いろいろな人がつながり、一人でもたくさんの人が幸せになることが私たちの喜びです。

世界一魅力的な都市、京都。

歴史をつなぐ古都、京都。

人と人とが懸命につないできた歴史を、想いを、つないでいく一員として、私にできる役割を果たしたい!

と思うのです。

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