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伝統産業だからこそ、大切にしていきたい若者の感性

先日、取引先の中華料理屋さんの大将から、アルバイトの女子学生さんが「玉乃光で働きたい」と言ってくれているということを伺いました。

最初は、世間話かな程度に思っていたのですが、その後も大将がその件について連絡をくれて、それほど思ってくれているんだなと感じて、その学生さんと連絡を取ることに。

酒蔵業界というと、大きい酒蔵さん以外は、新卒採用はしていないことがほとんどで、玉乃光も同様にこれまで新卒採用はしていませんでした。

ただ、これも大事なご縁だと思って、学生さんと少し電話で話した後、一度本社に来てもらうことにしました。

その学生と対面し、早速「玉乃光で何がやりたいの?」と聞いてみた私。

返ってきた答えは、「何がやりたいという訳ではない。」という意外なものでした。

その代わり、

・玉乃光のTAMAというお酒を飲んでから日本酒が好きになったこと
・その後に色んな蔵のお酒を飲んだが、やっぱり最初に出会ったTAMAが忘れられないということ

そんな話を聴かせてくれました。

そんな出会いから、玉乃光に興味を持ち、玉乃光の一員として働いてみたいと思ったそうです。

何がしたいか?じゃなくて、何をしている会社で働きたいか

一昔前なら、「何がしたいか」ということで、就職先を選ぶ人が多い印象でした。

営業、企画、製造など、やりたい職種から就職先を選ぶのが主流だったのです。

でも今の時代は、
「何がしたいか」ではなく、「何をしている会社で働きたいか」ということで就職先を選ぶ学生も多いそう。

もちろん、デザイナーやプログラマーなどのクリエイターは「何がしたいか」という部分が主ですが、そういった人以外は、

この商品やこのサービスが好きだから、これを作っている会社の一員になりたい。

そんな考え方も増えつつあるのです。

そもそも学生さんって、仕事がどんなものがあるかがあまり分からない。

だからこそ、「何をやりたいか」と聞かれても分からない人が多いはずです。


そんな中で、酒造メーカーのようなものづくりをしている会社は、社会的な位置づけとして何をやっている会社かが分かりやすい。

日本酒業界とだけ言えば、若い人たちから興味を持ってもらいにくいというイメージが湧くかもしれません。

でも、偶然の出会いから興味を持ってくれた学生さんの心を動かしたように、心を動かす商品をわれわれが生み出すことができれば、学生さんたちが目指す場所にもなるのかもしれない。

そんなことを思うと、今後新卒採用にも力を入れていきたいなという想いも強くなりました。


伝統産業にこそ必要な若い感性

若い人たちからも注目してもらえる業界かもしれない、そんな話をしてきましたが、では、業界や自社の想いはどうでしょうか?

リアルな声を聴きたいと思い、先日会社の朝礼で、「正直な話、新卒欲しいと思う人?」と聞いてみました。

するとなんと、ほとんど全社員が手を挙げたのです。

伝統産業といえば、伝統を大切にするがゆえに、新参者は受け入れられないのではないかと思っている人もいるかもしれませんが、実はわれわれ自身も若い人たちのフレッシュな感性をを欲していたのです。


私は、このnoteで何度も、他の業界の人や、外部の人と力を合わせていきたいという話をしてきました。

でもそれに加えて、自社内にも若い人たちの感性を取り入れる必要がある、と改めて実感。


もちろん、技術や作業効率の部分では、長く業界を続けている人の方が優れています。

しかし、やっぱりそれだけじゃ業界はやっていけない。

若い知見や、感性が無い限りは変わっていけないし、若い人たちの力を借りることこそが業界を変えていく力になると思います。

これからの未来を作っていくのは、若い人たちです。

だからこそ、これからの玉乃光、そして、酒蔵業界には若い人たちの感性が必要なんだと思います。

玉乃光のお酒と出会って、情熱を持ってくれた出会いがあった。
だからこそ、玉乃光で働きたいと考えてくれるきっかけになった。

決して人気がない業界ではなく、若い子たちが注目してくれる業界であることを改めて実感できたからこそ、今後もっと若い子たちが力を発揮できる環境作りを業界全体で進めていけたらいいな、と思います。

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