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【アンテナショップオープン物語 Vol.8】京都が誇る伝統産業のストーリーを肌で感じてもらえる場所

アンテナショップで日本酒をより心から味わっていただけるように、清水焼の窯元さんとのコラボ酒器の開発を進めてきました。

ついに先日、発注が完了。
あとは、できあがるのを待つだけ!楽しみです。

このように、玉乃光のアンテナショップでは、積極的に伝統産業とのコラボをしていきたいと思っています。

今回の記事では、玉乃光のアンテナショップで伝統産業を取り入れる理由や、その相互作用について、私が思うことをお話したいと思います。

京都の酒蔵として、伝統産業と向き合うことについては、以下記事でもお話しておりますので、是非こちらも目を通していただけると幸いです。


伝統を日常に。伝統産業の困りごとの共通点

清水焼の酒器開発にあたり、清水焼の窯元さんから色々なお話をお伺いしました。

清水焼の定義は諸説ありますが、そのひとつはろくろで作られていること。

ろくろ師さんが手間暇をかけて作ることになるので、お値段は決して安いとは言えません。

また、絵付師さんが彩り豊かな絵付けを施すことも、清水焼の醍醐味。

もちろん、そこには、伝統が受け継がれてきたからこその価値があります。ただ、逆に言うと、華麗で高価な清水焼は、日常の中には気軽に取り入れにくいということ。

手にとってもらう人を増やすためには、もっと日常の中に溶け込みやすい酒器があってもいいのではないか、そんな想いから「日常使いできる酒器」を目指して開発を進めてきました。

手の届きやすい価格にして、色や形もあまり派手すぎず、電子レンジや食洗機も使えるように。
でも、清水焼のぬくもりや、伝統はしっかりと伝わるように。

「伝統を日常に」をキーワードに開発したのが今回の酒器です。


そして、敷居が高いイメージがあり、日常に取り入れてもらいにくい。

という困りごとは、日本酒業界で、われわれ玉乃光が対峙していた問題と共通するんです。

「日本酒に対する敷居を下げて、日本酒や酒粕を日常に」というのが、今回のアンテナショップの目的のひとつ。


また、ろくろ師さんから伺った他の困りごととして、ろくろ師が年々減ってきてしまっているということ。

この困りごとも、働き手が減ってきてしまっている日本酒業界と共通します。


こういった共通点があることもあり、日本酒だけでなく、伝統産業全般がもっと身近になるようなお手伝いをしていきたいと思うようになりました。


伝統産業が届けられるストーリー

一昔前までは、機能面などの商品自体の価値で消費されていた時代でした。

ただ、科学技術や情報ツールが発展したことによって、機能的に良い商品は世の中に溢れてしまい、商品自体の価値では差別化が難しくなりました。

モノ消費から、コト消費、イミ消費になったという話はよく聞きますよね。


では、現代は何で差別化できるかというと、商品の背景にあるストーリーや、その商品と共に生まれるストーリーです。

どんな想いが込められているか、誰から買うか、誰と買うか、どんな思い出があるか…

そういったものが、その商品の価値になっていく。
そしてそのストーリーによって、その商品が好きになって買ってみようと思える。


そんな時代だからこそ、“伝統”というものは重要なキーワードになって、価値のあるものになっていくのではないか、と私は思っています。


なぜなら、伝統産業には代々受け継がれてきたストーリーがあります。
ひとつひとつの商品に、ぬくもりや人の想いがあります。

伝統産業が届けられるストーリーはたくさんあると思うんです。


ただ、何より難しいことは、伝統の価値をお客さんに伝えること。

ただ、情報としてインターネットやSNSで発信するだけでは、買う理由にはしてもらえません。

やっぱり、実際に触れて、肌で感じてもらう必要がある。


そんな中で、玉乃光はリアルに体験できる場として、アンテナショップをオープンします。ストーリーを肌で感じてもらうには、最適の空間。

玉乃光の伝統やストーリーを感じてもらう場所として全力を注ぎます。

ただ、せっかくそんな空間を作るわけですから、玉乃光の日本酒や酒粕だけじゃなく、あらゆる伝統産業に触れて、ストーリーを感じてもらえる場所にしていきたい。
そう思っています。

アンテナショップで伝統産業のぬくもりを感じながら、新たなその人だけのストーリーを生み出してもらう。

そんな中で、好きになってもらえるように。
そして、伝統産業っていいな、守っていきたいなという気持ちが芽生えてくれるように。


気軽に、でも心があたたかくなるような、とっておきの体験ができる空間をスタッフ一同で作り上げようと思っておりますので、是非アンテナショップに足をお運びください。

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