伝統産業だからこそ輝く個人。酒造メーカーにCtoCの視点を取り入れるということ。
玉乃光酒造では、個人社員によるSNS発信などにも力を入れ始めてています。
今回は、なぜ、そういった活動を始めたのかについてお話したいと思います。
酒造メーカーにあるBtoBとBtoCの二面性
以前の記事でも少しお話したように、酒蔵には、顧客といえるお客さんが2種類います。
ひとつはもちろん、お酒を飲んでくれる消費者。
そして、もうひとつは、われわれが作ったお酒を小売店に届けてくれる卸売業者です。
前の記事でも書いた通り、メーカー→卸売業者→小売店→消費者という流通の仕組みがあるからこそ、お酒が広く速くスムーズに消費者に届くのです。
しかし、デメリットとして、お客さんの声が理解しづらいという部分があります。
そこで、時代の変化とともに登場したのが、メーカーから消費者へ直接届けられる通販という仕組み。
お客さんと直接接点を持てるので、比較的お客さんのニーズを捉えやすいというメリットがありますが、その反面、配送料や手間などがかかるので、事業拡大には時間がかかります。
時代の変化に合わせて、従来の卸売業者へのBtoB(Business to Business)、通販での消費者へのBtoC(Business to consumer)の2つの役割を両立させる必要性がでてきました。
個人が信用を集めるCtoC
加えて世の中では、CtoCというビジネスが一般的になりつつあります。
クリエイターがボタンひとつで商品を売ることができる時代になりました。
しかも、一昔前までは、個人商売は信用がないものとされていたのに、今や場合によっては知らない企業の広告よりも、知っている個人の宣伝の方が上回ることだってあります。
お客さんに選んでもらうためには、個人として知ってもらい、信用してもらうことがいかに大切かが証明されてきているのです。
酒蔵で働く一個人として輝いてほしい
そんな時代の流れを見ている中で、われわれ酒蔵も、お客さんに選んでもらえる企業になるためには、社員個人個人のことをもっと世の中に知ってもらわないといけないのではないかと思いました。
しかも、酒蔵は、伝統産業でスモールビジネスです。
長年の伝統文化を繋いできた人がいる。
日本酒に関しての知識を追い求め続けてきた人がいる。
美味しいお酒を作るために毎日手を動かす人がいる。
そして、スモールビジネスなので、大企業と比べて社員一個人に親近感を沸いてもらいやすい。
つまり、酒蔵だからこその強みをもつ社員ひとりひとりの顔が見えることで、より企業のファンになってくれる人を増やすことができるのではないかと思ったのです。
会社として同じ方向を向いて、美味しい酒造りに力を注いでいくのは、これまでもこれからも変わりません。
そこにプラスして、ひとりひとりの社員にフォーカスをあてていく。
ひとりひとりが輝くことによって、より玉乃光というブランドが輝いていく。
それと同時に社員自身の人生が輝いていく。働くことは生きることです。自分の仕事に誇りを持って生きる。
これだけ個人が輝けるインフラが整った今、組織の限界が見え始めている。もちろんチームの強さを発揮する場面はあります。個人の苦手な部分を補いあったり、思いもよらないアイデアが生まれたり、力を合わせることで一人ではできないことができます。
でも、旧来のがんじがらめの組織構造はもう意味がない。組織の強みを残しつつ、個人の強みを発揮できる構造が必要。
そんなことが実現できたら、いずれはBtoC、CtoCという垣根すらも越えていくと思います。
玉乃光の杜氏さんが好きだから飲んでみよう
玉乃光の企画の人がイベントを主催しているから行ってみよう
玉乃光の営業が面白いから、お店に飲みに行こう
個人が輝くことで組織が輝く。個人が何者かになる。それは伝統産業だからできること、酒造りに携わったからこそできることだと思うのです。そんな未来を目指して、一歩ずつ歩んでいきたいと思います。
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