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胚培養士ミズイロを読んで

私が人生で1番最初に好きになった作家さん
末次由紀さん
末次先生のマンガに出会ったのは、恥ずかしながら古本屋だった。

親の離婚で引っ越し、2学期から新しい学校に行くことになった小5の夏休み。
それまで本はあまり読まなかったが、
あまりにも暇すぎた。

母は仕事。高校生だった姉は部活や友人と遊んでいた。
学校にも行っていないので新しい友だちはいなかった。
ボロアパートに引っ越しした私には時間だけが有り余っていた。
窓の外をみて泣いたこともあった。


5分ももたなかった


もちまえの冒険心で近くを探索した。
自転車でも探索した。
そこで一軒の古本屋を見つけたのだ。

only you

英語の意味はわからなかった。
ミズイロのキラキラしたカバーが綺麗で手に取った
100円は買える値段だった。

運命の出会いだったのは大袈裟ではない。
大好きになった。
新作を全て追って買った。

そんな末次先生がTwitterで
紹介していた本が
ミズイロだ。

不妊治療の話と分かりさらに興味が湧いた

ほとんど最近は漫画を買ってなかったが、
すぐにカートに入れた。
Amazonさんが即日配達してくれ、
早く目覚めた今朝
一気に読んだ


心が震えた


結婚して4年
不妊治療歴も4年
タイミング、人口受精、対外受精とステップアップしてきた。
二度入院もした。
仕事も辞めた。
何度も夫婦喧嘩した。
何度も2人で泣いた。

そして、今
私たちは不妊治療を休んでいる

穏やかで幸せな日常だ。

だが、頭の片隅には
凍結したままの3つの胚がいる


おかざき先生は
胚培養という科学的な技術をわかりやすく伝えるとともに
不妊治療にのぞむ人たちの
それぞれの想いを
繊細にでも大胆に描いている


不妊治療してるの


本当によく聞くようになった。
誰かと比べたり
自分を責めたり
相手を責めたり
こんなにも醜い感情が自分にあったのかと気づく

身体の辛さもあるが
精神的な辛さが私はこたえた

薬の影響もあるかもしれない

戦う勇気をなくしてしまっていた私に
裏で培養士さんたちも戦ってくれていると
背中を押してもらえた


夫にも読んでもらおう。
私たちがもう一度チャレンジする
きっかけになるかもしれない。

私を含め不妊治療をしている全ての人に
1人じゃない
十分がんばっている
あなたは悪くない
そう言ってもらえている気がするのだ


末次先生ありがとう
おかざき先生ありがとう


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