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見る人がいてこその広告

写真は昨年(2020年)6月中旬に撮影したもの。広告スペースがスカスカになっていることに気づかされる1シーンです。

平年だと頭上やパイプ棚の上には多種多彩な広告が賑やかに掲示されていて、会社や路線によってはそれが美観を損ねるからとあえて数を減らしているというのがむしろ珍しい、こだわっているとされていた感覚がありました。

今年(2021年)はこの時よりはまだ増えたとはいえども、内容は一部の鼻息の荒いマスメディアと美容関係、あとはお金が戻ってきます系の事務所あたりを除いてまあ大人しいというか、煽らないというか、刺激しないように気を遣っているというか、そんな感じの広告が並んでいる状況です。

確かに、賑わいや楽しみを焚きつけるのがどことなくタブー視されているところはあると思います。手元の情報端末に夢中になっている人が増えて、乗降口のドアが開いても無意識の門番ごっこに精を出す向きが増えているのもわかります。外出を控えるように声高に喧伝しているお役人さん方はさぞかし、乗車率が減った通勤電車に「おいらテレワークなんてできないもん」とばかりに仏頂面で乗りこんで、腹の底で仕事をやった感に満たされていることでしょうよ。まあ、それはそれでいいんです。それぞれがそれでいいと思ってやっていらっしゃることでしょうから。

ただ、見る人がいないなら広告なんてやめちゃえばいいじゃん、とならないのもこの世のならい。同じスペースがあるのであれば、見るものがあれば目に入るのも広告の良さだと思うのです。なので広告を出す向きにどうかお願いしたい。依頼してくる業界の課題もあるとは思いますが、ドア横・天井吊り・棚の上、ドア窓ガラスに妻の壁、どこを見ても似たり寄ったりの圧ばかり強い広告ばかり見せつけられるのもなんだかなあなのですわ。

あ、単一コンセプトで1両や1編成を全部同じ広告にしたというやつは全然OKです。その線の数十本すべての電車がそれということはまずないのですから。

同じ広告を楽しむなら、夢のある前向きなものに触れたいなあという、テレワークなんて夢の夢、いや、できるものなら苦労しないわという世界に生きるいちワーカーのつぶやきでした。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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