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旅の伴にした本(36)関東大震災と鉄道

100年前の壮絶がありありとまとめられている著作でした。

ちくま文庫刊「関東大震災と鉄道」内田宗治 著。

いまから100年前、大正時代の1923年9月1日。関東地方を直撃した大地震は周辺地域に大きな爪痕どころか、多数の人家を灰燼に帰し、両手に余る地域の地形を変容させました。まさにその渦中にいた市井の人々は、どのような時間を過ごしていたのか。職業人としてその任についていた人々はどのような行動をとったのか。そしてその後、どのような結果や成果につながったのか。それらを当時の資料や記述、報告などをもとにひもといたのがこの著作となります。

九死に一生を得た人の話や、マラトンの戦いを彷彿とさせるような新聞記者の行旅記録。それ以外にもさまざまな「その時にいた人」のありように触れることができます。

なかなか読み応えのある著作でした。大地震はつまるところ、やはり現代においてもいつ来るかはわからない。だけどそうなったときに命があるのであれば何ができるのか。それに思いをはせることは今でもできるはず、そう思えば学べることが何かしらあると思います。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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