戦後日本漢字史
阿辻哲次著『戦後日本漢字史』
当方が所蔵している文庫本の中ではおそらく最高購入額のものとなります。(文庫本で税込1,000円超えは令和の代でも珍しい……と思う)
けれども今世紀末までに漢検1級取得を目指している以上は、必読書なのだろうと購入したものです。
読了して、結論を要約すると。
・とにかく西洋(とりわけゲルマン系)は正論(≒自分らが正統)が前提
↑あくまでも個人的見解です。他の個人に対する揶揄ではありません
・方針決定に必要なのは「声の大きい中立派に決議権」と「一定数(しかも少数)の専門外」
↑専門家揃いでもバイアスかかると何の意味もない、というほどの意味
・技術は不文律を凌駕する。たとえ刹那的なものであっても。
↑こうあるべき、なんてものは所詮その声の主のエゴである……とすら解釈する
・つまるところエライさんの考察よりも取り巻きの細かい指摘にカギがある
↑エライさんと取り巻きがグルだと出来レースが成立。そして責任は誰も取らない
という、まさしく現代社会を垣間見る深ーいハナシであることを感じ得ました。
漢字に興味がある……というよりは、漢字について一家言あるという御仁ならば評論抜きでまずはひとわたり目を通していただきたい。
そして本文にもあるのですが、小中学校で言語を扱う職域にいるのであれば是非とも、いや必ず読んでおいてほしい内容だと思いました。
なぜこの国では漢字が必要なのか。そしてなぜこんなに膨大な数の漢字を扱うのか。
なぜ人名や地名をはじめとした固有名詞を意識して書き分けないといけないのか。
その大半について、この書籍は示唆しています。
……また何回も読み返すことになるだろう本が増えてしまった。
興味のある方は、書店にてお求め下さい。
もしくは、図書館で手続きの上、定められた期間内にお返し下さい。
(本を読む人ならばこれぐらいのことなど、記すまでもないことです)
それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。
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