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確率に何を求めるか(2)

世の中にはいろいろな確率のハナシがあります。

多数の人が気を寄せるものとしては、降水確率とか試験に合格する確率とかくじ引きで1等を当てる確率とか。

前に(1)で確率というのは基本的に「あるできごとがおこる回数(件数)÷すべてのできごとがおこる回数(件数)」で求めることができて、しかもそのできごとが「同様に確からしい」内容であれば成立すると述べました。

その意味でいけば、降水確率や試験に合格する確率の「すべてのできごと」って何なんだ?が見えてくれば、その確率の意味合いも受け止め方が変わってくると思われます。

一方で後者のくじ引きに関するものならば「くじを全部引いたとして、そのなかに1等がいくつ入っているか」で計算できそうですが、実際には文字通り最初の1人目が1等を引いてしまうこともあったり、9割方くじは引きおわっている(つまり残りは1割ほどしかない)のに1等が1つも出ていないということもあったりすると、「じゃあその確率ってのは意味があるのかい?」と噛みつきたくなる場面もありそうです。

すなわち、たしかに確率の求め方(算出法)は先に述べたとおりですが、そもそも「すべてのできごとがおこる回数(件数)」の設定に問題があると計算通りにはいかない、という課題がそこにあるのです。

今回の例で言うならば、「降水確率」の“すべてのできごと”とは何をさすのか、「合格可能性」の“すべて”というのは出願者をさすのか、受験者をさすのか。さらにはそれはある特定の年度のものなのか、一定の年度の人数を積み上げたものなのか、試験が始まった第1回からの累積なのか。

くじ引きに至ってはほぼイチャモンのようなものになりますが、くじ引き開始前の総くじ数に誤りがないというのは当然として、それをどのようにセッティングしているかも影響を与えているかもしれません。くじを引く場所(手が届く場所)の近くに1等があるのであれば、すぐに引くことができるでしょうし、逆に引く場所の奥の方(手が届かない場所)に1等があれば、ある程度の数がはけないと1等など出てくるはずがない、ということになります。

このようなことがないように、くじは引き始める前によくかきまぜるとか胴元(主催者)とは関係ない第三者がセッティングするとかで偏りがないようにしているはずなのですが、なかなかそうはいかない場面もあるようです。

降水確率や合格する確率もそうです。30%なのに雨に降られたとか、B判定(70%以上)なのに不合格だったとか。もっと言えば90%なのに外出していて全く濡れなかったとか、可能性30%未満と判定されたけど合格したとか。

じゃあ確率ってのは意味があるのかどうか?

その数字の意味合いをどう捉えるかで、意味のあるなしは変わってくるようです。次回はそのあたりのことを具体的に攻めてみようと思います。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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