新しい靴で辞めた(天坂寝覚)

新しい靴で辞めた(天坂寝覚)

彼は雨の句でいいものがたくさんあるけど、今日はわたし自身が最も好きなこちらを。

いいですね。この短く、ブツッと言い切る感じ!! しかも実に自由律俳句っぽい、とんがった雰囲気です。

どうもこの「新しい靴」は白い靴のような気がする。イメージは工場の派遣工。真新しい白いスニーカーで行ってみたら、どうにもおさまらないことが起きた。天敵の工場長から理不尽な罵声を浴びせられたか。もしくは、とても理不尽に派遣を打ち切られたか。

自分から辞めたのかそうでないのかは分からない。けれどこの「辞めた」人物は、どちらの場合でも、気持ちの上では「自分からおん出てやった」のだろうと思う。

啖呵を切って、もの二度と戻らない職場をあとにする。

いきなり丸々空いた一日。さぁどうしよう。

不安な気持ちも、むしゃくしゃと怒りたい気持ちもあるけれど、ふと目を落とせばおろしたての真っ白な靴は眩しく光っている。

歩きタバコは条例で禁止されているけれど、一本火をつける。

ふん、いいさ。そして男はくわえタバコで雑踏に紛れてゆく。

そんな光景が目に浮かびます。

いいですね。こういう拗ねた光景を表現するのに、自由律俳句以上に適した形態ってない気がします。

イケメン自由律俳句に、遂に登場、天坂寝覚!!(^皿^)

彼はいま現在自由律俳句やってるひとのなかで最も人気にある詠み人の一人。お年はやっと30くらい(だっけ?)非常に若い優れた詠み人。「草原」で頑張っておられます。

わたしはつねづね、自由律俳句からもスターが出るべきだと強く思っているんですが、彼こそがそれに最も近い人物だと思っています。

ただいま句集の準備中だそうです。楽しみに待つことに致しましょう!!

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