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自由律俳句誌「脱兎」投句作品
やっと載ったらしいぜ(笑)
小笠原玉虫 2月の投句作品
https://note.mu/rabbit_run/n/n977fbad0db37
じゆうりつはいく 0216/06/22
くちなし香る雨の墓場だった
香りばかりで百合が見えない
雨が包んだ老犬だった
白衣で焼き鳥焼いてくれた
端の座席に座って耐える
苔の臭いの荒れ庭だった
常に早起き臆病でいて
屋根が薄くて雨を感じる
透明な傘だし雨がよく見える
じゆうりつはいく 2016/05/08
何もないねと妹がわらった
声と調子に満たされて春
手先ぶつかる風呂で足りてる
躑躅ふやけて冷たい風だ
マドラー長くただ飲みづらし
光る小石を拾いたかった
帽子脱がずにお茶飲むたわけ
帰りゃいいのにうじゃじゃけている
薔薇満開でこのまま止まれ
一度振り見て手を振っていった
電話しつこく震える夜闇
マクドにて拗ねて黄金週間尽
じゆうりつはいく 20160507あたりの
昼が長くて逃げようがない
祝日の膿んだ日差しにあぶられてゆく
いぬも寝ていて動くものがない
日没を知らせる曲が追い詰めていった
老犬見つけて駆け寄ってくれる
節くれたうつくしい手で裏切っていった
怒ったふりだけうまくなってた
謝らせたい綺麗な顔だ
尻だけ若い愛人だった
全部払って何ほどでもない
助け来ぬまま泣き止んでいた
煙草はさんでゆっくり話す
一緒にワッフル突いてくれた