拝啓、横尾忠則さま
陶芸や写真、絵を描いていた祖父の影響で、子供の頃から芸術や美しいもの、宇宙が好きだった。
私が幼い頃、「岸本カメラ店」という写真屋を営んでいた祖父のお店に、青年時代の横尾さんが度々写真を現像にこられていたらしく、そのことをよく祖父は得意げに話してくれた。
祖父はカメラ店を営みながら写真も撮り続けていた。1970年に篠山紀信さんのananの撮影で西脇市に帰郷された時にいただいたサインやその時の写真もまだある。
1985年頃、岡之山美術館でのissei miyakeさんとファッションショーをされた時にも、祖父は写真を撮りにいっており、その時の写真も自慢げにみせてくれた。
祖父が誕生日に買ってくれた天体望遠鏡で、夜はよく屋上にあがって祖父は写真を撮り、私はよく天体観測をした。宇宙にはずっと憧れがあった。
その頃、祖父の知り合いだったきししげ樹先生のアトリエに通い始めた。きし先生のもとで毎週沢山の作品を思うままに作った。画用紙からはみ出すぐらいに大きく、余白を作らず大きく大きく元気に思うがままに。私の料理の原点は間違いなくここ!
幼い頃から本物に触れられたことはとても貴重な経験だったと思う。そして中学一年生の時、杉原川の上からUFOを見た。中学三年生の頃、河童を飼ってみたいと思いたち、調べてみたけどどうやら無理で一旦諦めた。父や近所のお兄ちゃんの影響でビートルズを機に洋楽が好きになり、幼馴染から誕生日にもらったWoodstock69のビデオで16歳の私はヒッピーカルチャー、ヒッピーファッション、ヒッピーミュージックに夢中になり、ベルボトムを履いてスウェードのジャケットを着てターコイズのアクセサリーを身につけて、休日にはカルチャーセンターの噴水でだいたい寝ていた。
女友達みんなでバンドも始め、カルチャーセンターや市民会館でライブをしたり、だいたいバンドしかしてなかった。その頃にサンタナのジャケットを横尾さんが手掛けてることを知り、よ、よ、よこおさん!!!!!繋がった、、、!とびっくりした。
そしてその頃に初めて横尾さんの本を読んだ。
「インドへ」なぜこの本を選んだかというと、単純にジャケが好みやったから。読み出すとそこに書いてあるものはまさに私の好きなものばかり。
インドに行きたくなった。ただいまだひとりでインドに行く勇気はない。
2000年、大阪に出て、六甲山の山頂で友達3人しらふでUFOに連れ去られかけた。いや、連れ去られたとおもう。(誰も信じてくれない。ほんまやねん。聞きたい人は私まで。)
中学生の時以来、2回目のUFO。この時に「インドへ」を真っ先に思い出した。私は多分この先もずっとUFOに出会うだろうなと思ったけど、本当にそれから何度も何度もUFOに出会った。先日へそ公園で行われたヘソノオ宇宙祭のときにめっちゃ話そうか迷った。
そうして、結果「インドへ」は私のバイブルみたいになったわけ。大阪にでてから、横尾さんのラッピング電車めっちゃかっこええから遊びにおいでよ!とよく友達を西脇に招待した。いまだになぜあのカッコいい電車がなくなったのか不思議でしかたない。
2年前、シティプロモーション会議で、西脇市の街を横尾さんに南仏からイタリアにかけての海沿いの街みたいに、カラフルに塗ってほしいよね、って話しをした。そして先日「横尾忠則、西脇幻想展」で、なんとそれが現実になっていることを知った。
そう、これ。西脇にはもっと色が欲しかったんや。見るだけで元気になれる街、興奮した。
2019年年明け、河童はまだ飼えてないし、イタリアへは何度もいけても、インドへは行けてない。わたしの壮大な「インドへ」の旅はまだまだ始まったばかり。
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↑は私の出身西脇市のフリーペーパー
へそまち文化新聞に連載してもらっている過去のコラム。
今から50年くらい前篠山紀信さんが横尾忠則さんの故郷を撮るというような雑誌アンアンの企画で来訪。西脇のあちこちで写真が撮られ、そのうちの1枚が商店街の日の出湯での横尾さんモデルのヌード撮影会となった。写真はその時のスナップ。
カメラマンをしていた祖父が撮った数枚のネガがのこっていて、叔父がスキャンしたもの。
叔父はだいぶかわっている。
東京にいる叔父(と叔母)は、ジョンレノンとオノヨーコみたいな夫婦で、2人でいつも世界中もバックパックで何ヶ月も旅して、いろんな音楽フェスにいっていた。
一年に一回かえってくるときのお土産はいつも逸脱していて、直近のお土産はサンドペーパー5枚だった。これで最初磨いて、これから一枚ずつ5回磨けばいい、と言っていた。(なにを?)
最後の写真は、当時のうちの住み込みの美容師さんたちとの記念撮影やそう。美容院の横尾さんのデザインの看板の写真もあるけど、こちらはもう原本を美術館に寄付したので、転載はやめておきます。
めっちゃかっこいい!
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