今週読んだなろう小説たち 29-1

シン・エヴァを観に行ってて、今まで掲示板や考察サイト見ていたらアップするのが遅くなったしまいました。いやぁ、賛否両論あると思いますが、私はめちゃくちゃ泣いたし凄い好きでした。謎はたくさん残っていて、多分それが公式から説明されることはないのかもしれないけど、メリバも覚悟していた身としては25年のモヤモヤがかなりスッキリしました。

TV版、旧劇場版、新劇場版と見直して、これからたくさん出てくるであろう考察サイトを回って、改めて観に行きたいです。

って事で(?)、今週読んだ作品のネタバレ含むあらすじと感想あげます。好きだった作品には★印を付けています。


・天邪鬼な王子 ★

村長の息子ルカは容姿端麗・文武両道で非の打ち所がないため「王子」と呼ばれている。しかし彼は幼馴染のヴァネッサにのみ暴言を吐く。ヴァネッサの親友アンリは天邪鬼でヴァネッサへの想いを拗らせているルカの恋心を昇華する手伝いをする。

ルカも天邪鬼だけど、アンリはアンリで天邪鬼というか素直じゃないところがあるのが可愛くて。正義漢が強く厳しくも優しいアンリがルカの叶わない想いに決着つけるための手伝いをする内にルカに惹かれて行くのも、ルカの手伝いをするアンリに無自覚に少しずつ惹かれるルカも良かった。アンリがいたからこそヴァネッサへの想いを過去のものに出来たのがいい。告白の時、全部過去形になってるのを本人たちが気付いていないのがね、いい。マルコがいたら気付いただろうね。

初恋を拗らせて素直になれなかったルカが、次の恋はストレートにアタックすると決めたの良いね。アンリはルカに既に恋していたけど、アンリもなかなかに天邪鬼だからくっつくまでには意外に時間かかったのかも?と思うとによによしますね!



・残念ながら、魔術は使えません ★

魔術は使えないけど魔術への抵抗力と魔術を見る眼が優れているコゼットは、国でも指折りの監察魔術士ジニアスの助手を務めている。仕事は出来るがそれ以外が無頓着で生活力のないジニアスの世話をせっせと焼くコゼットは彼に身分違いの恋をしていた。

周りは2人の気持ちに気付いているのに、本人たちだけお互いの気持ちに気付いてないの、ニヤニヤしちゃいますね!ジニアスは悋気を撒き散らしてるのに全然コゼットが気付いてないの、ワイズナースやサネスやフィリップは見てて楽しかっただろうな。母親や実家の使用人にもバレてるのにコゼットは期待しないようセーブかけすぎて、ジニアスの気持ちに気付かなかったんだろうけど。

ジニアスは研究バカで言葉が足りないし、プロポーズの言葉のチョイスもやらかしてるの可愛い。なのに、両思いになったら積極的なところも見せるとかちょっとヘタレなのかな?コゼットの自己評価低いところを少しずつでもジニアスが補っていけるといいけど、どうかな?頑張れ。



・あなたの為なら、何だって ★

夢を叶える直前に突然龍神である氷蓮に連れ去られた花鈴。花鈴の怒りに気付かず無邪気に花鈴を溺愛する氷蓮と、彼に惹かれながらも心を許すものかと意固地になる花鈴は数百年すれ違い続けていた。しかし、そんな頑なな花鈴に疲れた氷蓮は異世界から来た瑠璃音を側に置くようになる、

感想が賛否両論で厳しい意見も多くてびっくりした。わたしはすごい好きなお話でした。お互い自分の気持ちばかりで相手を見てるようで見ていなかったし、違う価値観に対して知ろうとも歩み寄ろうともしなかった。氷蓮はたしかに花鈴を愛していたのだろうけど、「番」という抗えない本能からくるもので、人間の花鈴としては愛しているならこちらの事情を何故鑑みないのかって思うだろう。

だけどお互いの気持ちが分かったからこそ、花鈴が一番幸せになる方法は、蓮花が幸せになること。それゆえに氷蓮が生まれない未来があったとしても。って言う決断が強いよなぁと。それを受けた蓮花が自分の恋を成就させるのではなく、氷蓮が生まれる未来を自分で選ぶって言うのがいい(ここで「あなたの為なら、何だって」っていう題名の回収が素晴らしい)。未来の記憶を持つ蓮花は、生まれてくる氷蓮に番を迎えに行くときは自分の本能を優先させるのではなく、相手の事情や想いをちゃんと確かめてそれを叶えるのも愛なのよ、と諭すことが出来る。うん、めちゃくちゃハッピーエンドやん!ってわたしは思った。

ストックホルム症候群の話っていう方もいて、ホント人の感想って千差万別だなぁと思いました。



・男装王女の悪妻計画〜旦那様がぜんぜん離婚に応じてくれません〜 ★

性別を偽り第一王子として生きてきたエディ。ある日怪我をした時に側近のハロルドが介抱した際に女性であることがバレてしまう。男として育ちガサツなエディは政略結婚の役にも立たないため、修道院にでも行くものだと思っていたが、性別がバレるきっかけになったハロルドに降嫁することになってしまう。彼にとって不本意な結婚だと思ったエディは悪妻を装い離婚するために奮闘する。

実は可愛いものが好きだけどなエディ可愛い。実際王になれるとは思わず、母親から盛られる毒にも甘んじて受け入れつつも自分が出来る事を誠実にこなそうとするエディと、そんなエディの性別に気付きつつ誠心誠意尽くしながらもエディにとって一番いい方法を模索していたハロルド。ハロルドの柔和な外見とは異なる策士っぷりというか外堀を埋めてるやり手感がめちゃくちゃ良かった。エディのことが可愛くて仕方ないけど、自分本位ではなくエディを尊重しているのもいい。

実は両思いだったって言うのもいいね。自分がハロルドとダンスをしたいなどと願ってから、色々あからさまになった上、貧乏くじのようにハロルドは自分と結婚しなければならなくなった上、進んで毒を飲み自分の命を大切にしないような人間は誰からも愛される資格などないって思ってしまうエディ切ない。そんな拗らせた感情すらも全部優しく受け止めるハロルドさん最高です。

王太后様との交流も良かった。似たもの同士の2人や。無自覚にエディに惹かれるロードリックに牽制しまくる大人気ないハロルドさんもいいですね。ジェイラスは苦労性っぽいのでこれからも色々がんばれ!



・エンドレス・ティータイム ★

中流貴族に生まれ容姿も何もかもが平凡なフィーリア。恋多き美しい人が父の後妻になったが2年半前に父は他界。血の繋がらない2人は一緒に暮らしていたが、ある日美貌の未亡人である義母に婚約者が出来る。相手も義母と同じように美しく恋多いセルダン伯爵だった。彼は再婚に反対するフィーリアの説得という名目でよく訪ねてくるが、傲岸不遜で嫌味ばかりで軽薄なセルダンがフィーリアは大嫌いだった。

すごい好きだった〜!!!ちょっと短気で賢く物事の本質を見抜く力があるものの、平凡な容姿で義母と比較され貶められることが多いために引きこもりがちなフィーリアと、交友関係が華やかで女性に事欠かないけど本気で誰かを愛した事がないセルダンが、フィーリアを落とせるか?という賭けをしていくうちにお互いどんどん惹かれていくのがめちゃくちゃときめいた!!軽薄で意地悪な言葉の裏側にある優しさに気付きながらも、彼のゲームの手の内で空回っているだけの茶番だと言い聞かせ、心が傾かないように必死になるフィーリアかわゆい。口さがない陰口を聞いてしまった場面はホント辛かった。両思いになっても彼の今までの過去やあの時の言葉を思い出してしまえば、そんなに簡単に「両思いだから、じゃあこれからラブラブになってすぐ婚約ね!」なんて思えないのは当たり前だよ。

セルダンも気が強いのにコンプレクスを抱えている、でもやっぱり気丈なフィーリアに惹かれて、独占欲とは無縁な男がそれを剥き出しにしていくのが堪らなかった!フィーリアに相応しい男は他にいるだろうが、自分がフィーリアが欲しいから絶対手に入れるって言う、フィーリアの負け確定の賭けを提案するのも最高。不誠実な自分の過去を挽回すべく今度は最初からフィーリア目的で会いに来て、新しい賭けのためのティータイムが始まるっていうラストも小気味良かった。

最初はライバル(?)だったステラと仲良くなってるのはほっこりした。これから親友になりそう。不憫な当て馬だったエルバートにはちょっと同情。フィーリアのセルダンへの気持ちを聞いた時の彼の気持ちを考えると切なすぎる。彼には幸せになってほしい。ベックフォード侯爵は2人がいつくっつくか賭けしてそう。悪友で親友。変わっていくセルダンを気にかけてるけど、ご自身にもそういう人が現れるといいね。



・魔女問答 ★

森の中、黒いローブを纏い釜の中身を掻き回す皺だらけの老婆姿の魔女リシュー。領主の三男坊のオーレリーに懐かれ恋愛相談を乗っていたが成就の欠片もない。その恋を諦めたと思ったらオーレリーはリシューに恋をしたと言い出す。

オーレリーの人たらしというか人当たりのいい見かけに反して、実は結構強引なところがあるのがよかった。甘ったれの三男坊で完全無欠な次男にコンプレクスもあるけどあざとくて仔犬系というか。ほっとけない感じでまっすぐな好意を向けるから、善悪を問わないというリシューがなんだかんだ絆されていくのが微笑ましかった。まぁリシューがお人好しっていうのもあるけど。

ユーベルもいいキャラだったなぁ。リシューを求めたのは打算だけじゃなくて、自分もリシューに惹かれていたからだけど、リシューは全く気付いてない。自分のことは案外鈍感。ユーベルが元の恵まれた環境に戻ることを勧めたのと、オーレリーがリシューが選んだ道を自分もついていくっていうのが兄弟の違いが出てたよなあ。

1年以上探し続けて、姿を変えても一発でバレちゃあいよいよ観念するしかないよな。オーレリーの粘り勝ち。よく頑張った!


・Honey and Apple 〜おてんば娘は年の差幼馴染に恋してる〜

アデレードは幼馴染で7歳上のウィルトールに片想い。おまじないや占いに頼ってもウィルトールは涼しい顔。我儘も聞いてくれ優しく心配症で妹の様に大事にはしてくれているけど、アデレードは妹から脱却したい。

凄い好きな題材で好きな部分もたくさんあったんですが、アディが事故に巻き込まれて一部記憶がない設定や、登場人物が後半多くなったのが本筋に対して情報過多かな?というのがちょっと勿体なかった気が。しかし、アディの一途な想いと、ウィルトールのアディへの特別感っていうのがすれ違ってるのはホント最高でした。

特にウィルトールが結婚するかもといってアディが焦って彼の元に向った時の場面と、アディが子供扱いするなと言った時に若干キレるウィルトールは最高でした。純粋に慕ってくれる子を可愛い可愛いと思ってたら、いつのまにか好きになってた歳上の幼馴染っていう設定はやはり大好きだなぁと。頑張る女の子もかわいい。


来週は2回目シン・エヴァへの準備に向けて読む作品減らそうだな…。

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