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#09 「tamaki niime ふたつ会」を語る。

2018.08.01

今月11日(土)から19日(日)まで9日間に渡って開催されるshop&labの移転2周年記念イベント「tamaki niime ふたつ会」。shop内はもとよりlabの至るところにお祭りを満喫する老若男女の姿が溢れ、誰もがナチュラルにくつろげる空気感が満ちていたひとつ会から一年。あえてお盆の時期に合わせて開く今回の2周年祭について、玉木と酒井それぞれにたっぷりと語ってもらった。

― 今回はなんと9日間。すごいですね。

玉木新雌
「どうなるんだろうね、ふたつ会。前回のひとつ会は3日間で9月だったんですよね。」

― それが前倒しになって8月中旬、お盆の時期に開催というのは?

玉木
「お盆に帰省されるという方がすごく多くて。その時期にお店を開けるか閉めるか毎年悩んでるんですけど、やっぱりお盆と正月には帰省してウチを観に来たい人が多いからこそ、開けた方がいいんじゃないですかという意見がスタッフから出たんですよね。そうか、開けた方が良いなら開けようかとなったんだけど、じゃあせっかく家族で来て下さる方が多くなるんだったらそこでイベントしようっていう話になって。前回は駐車場が3日間パンパンになっちゃったから、あまり短期間にしちゃうと人がそこに集中し過ぎるから、いっそ日数増やした方が催し内容も分散出来るし良いんじゃないという事になって。2周年記念イベントはお盆にする事に決めちゃいました。」

― なるほど。

玉木
「で、色んなコラボも今年になってスタートしたからこそ、それのお披露目の場にするのもアリかもね、となって。日毎に作家さんに来て頂いて。」

― モノづくりとして、デニムであったりスニーカーであったり…。

玉木
「皆さんそれぞれにご自分の創られたモノも持って来て頂きつつ、コラボしたモノをお披露目するという。」

― すごく面白そうですね。

玉木
「それと毎週末に今やっている腹ごしらえ会も期間中日替わりで開催するから、毎日楽しんでもらえると。」

― 去年のひとつ会は本当にオープンな催しでしたね。lab内だけでなくレジのあるスペースまで会場にしていてお母さんと子どもが一緒に遊んでいるという。包み隠さず、というポリシーがtamaki niimeとしてあるにせよ、とても開放的な空気に満ちていて、驚きがありました。

玉木
「去年は1周年だし、おもてなしという事でフードも全て無料で、まずは来てもらいたいという想いからスタートしたんですけど、2周年に関してはこの一年で自分たちが新たにスタートさせた事をしっかりと発表したいというのと、腹ごしらえ会という、色んな地域の方がこちらまで来て料理して下さり普段食べれないようなものをいただくという食の催しも。今回は無料ではなく有料なんです。

― 今回はそれぞれの食作人たちの創作の仕事を、お金を払って食してもらい評価してもらう機会という事ですね。

玉木
「去年は目的としては全然tamaki niimeを知らない人に来てほしい、遊びに来る感じでふらっと来てほしいというのがあったんですけど、今年一年通して思ったのは、普段から家族で来て下さるお客様がすごく多くて。土日は特におばあちゃんから子供ちゃんまでママも一緒にゆっくり遊んで帰るというケースがすごく多いからこそ、夏休みのこの時期だからご家族が多いんじゃないかという事で、イベントとしては毎日子供さんが楽しんでもらえるようなのも出来るだろう、キーワード集めとかプールで遊んでもらったりとか、そうゆうイベントもしっかりとやって、楽しんでもらおうとは思っています。」

― 当然しっかりとshopもlabも稼動して、ありのままのtamaki niimeを見てもらいつつ…

玉木
「それにプラスアルファ、ちょっと夏休みチックになってるって感じ。その辺で、今年から新人がけっこう沢山入社して来たから「新人企画」と題して、新人チームがキーワード集めとか、イベントを企画してくれてるんです。期間中実際に動くのは全スタッフでやりますけど、企画立案みたいなものは新人メインでやってもらってます。」

昨年夏、周囲の集落の住民に向けあいさつも兼ねて開いた「納涼会」においてプール遊びや射的などを催し、子供たちもたくさん来場し楽しんでもらえた事が、今回の企画に繋がったという。

玉木
「あとはFOLKLOREさんと坂本美雨さんのライブ。夕方涼しくなる時間帯から操業後のlab内でやります。」

― 暑い時期でもあり、なるべく混み合わないようにイベント内容を分散させている日程なのも見て取れます。本当に盛りだくさんな9日間ですよね。

玉木
「なんだろうね。“無駄なこと”をしたいんだよね、私の場合。」

― 何かそれは感じますね。

玉木
「こうゆうイベントとかも、それに向けて皆んな一丸となるというか。それぞれが普段、染めは染め、織りは織り、洗いは洗い、販売は販売とそれぞれが全然違う仕事をしてるから、こんだけ近くにいるんだけどそんなにスタッフ間の交流の場がないというか。盛り上がるチームプレーみたいなのは各部署ごとになっちゃうから。こうゆう「ふたつ会」みたいなイベントになると担当を混ぜる事で交流が生まれたり、新人が普段は下っ端で発言権ないけどこうゆう時に仕切ってみたりとか。なんか学校の文化祭みたいな、ちょっとイレギュラーな動きをする事によってまたその人間模様をこちらも観察出来るし。若い人が成長する機会になればいいなというのはあります。」

― “無駄なこと”って、“遊び”と言い換えても良いのかもしれないですけど、大切な気がします。

玉木
「ワクワクするってどうゆうところでワクワクするのか?やっぱりこういう機会に普段labでクソ真面目に仕事の話しかしてない子たちとかでも、お客さんと柔らかいお話も出来るだろうし。色んな声だったりもヒアリング出来るかもしれないし。だからなるべくそうゆう機会を持てる場を、年に一回くらいは持ちたいと。」

tamaki niimeのshop&labに居ながらにして普段の仕事以外の様々な物事に触れスタッフに豊かな経験を積んでもらおうという点で、ふたつ会には腹ごしらえ会と共通する意図も感じられる。ここからは酒井にも彼独特の視点から、ふたつ会を語ってもらおう。

酒井義範
「ひとつ会もただ本当に僕らの日常を集約してそれをお客さんに振る舞ったって事だったんですけど、それよりも今回はアップグレードさせたいという想いがあったので。ただし色々なコラボにしても、ふたつ会ありきのコラボレーションではなくてあくまでコラボレーションありきのふたつ会であって。で、僕らが今持ってるコンテンツをせっかく沢山の方が来て下さるんやったらその場でお披露目しようかなと。ひとつ会にしてもふたつ会にしても、あるいはみっつ会にしても、“tamaki niime的サーカス”、という感じになるかなと。動物こそ出て来ないけど。」

― サーカス、良いですね。面白くて驚きのある“出し物”が次々と出て来るという様な。

酒井
「そういう感覚でみんなも楽しんでもらえたら。ただサーカスってお客さんと直に交わる事がないから、触れ合う事の出来るサーカスやと思ってもらえたらいいかな。」

― ワクワク感みたいなところで。

酒井
「期待感というか。やっぱり他所のイベント見てもどうしても売り手とお客さんの距離感というものがあって。なんかそういうんじゃなくて、誰かの家に遊びに来る感覚で来てもらえたらいいなって僕は思いますね。年に一度親戚の家に遊びに行くじゃないけど。」

玉木「お盆はどこか行ってたでしょ、家族みんなで。親戚の家とかね。」

― 遊びに行ってゴロンと転がってゆっくりしたり。くつろいでましたね。

玉木
「親戚のお兄ちゃんと一緒に遊んだりとか。」

酒井
「分かりやすく言うと“夏の風物詩” みたいな。夏といえば花火、夏といえばうちのふたつ会やみっつ会。そういう位置づけになって行ければ最高ですね。」

― なるほど。

酒井
「その中味のコンテンツというのはもちろん流動的やし、これから色んなカタチに変わっていくやろし。もしかしたらやめるかもしれないし。先の事は分からないですけど、今のところそんな感じです。」

― 昨年ひとつ会に参加して感じたのは気取りのなさ・敷居の低さなんです。普段はスタッフの職場であるあらゆるスペースを皆んなに開放して楽しめる空間にしていた。この自由さっていうのはすごいと。しかもとてもナチュラルな空気感が溢れていて。

酒井
「それこそ農家のおじさんが農作業の帰りに気楽にブラっと寄れる感じというか。構えてしまわずに。」

― よそ行きじゃなく。

酒井
「そうそう。農業やってるおじさんがそのままメシ食いに寄りました!ぐらいニュートラルな感じのスタンスなんですよ。」

― なるほどなるほど。

酒井「
かと言って土着し過ぎず、ニュージェネレーション的な要素は汲みつつ、でもやっぱり地場に根付いた感じというか。平たく言うと家庭的な感じなんですよね。」

― お盆に親戚の家に来る感じっていう、その辺のアプローチの感覚はすごく分かる気がします。

酒井
「来た人には、まぁ上がってお茶でも飲んでき飲んでき、みたいな。そんな感じでざっくばらんな感じがいいですね。」

― 何が飛び出すか、

酒井
「わからない。」

― みたいな。なるほど。

酒井
「そんなざっくばらんな雰囲気をつくりたいのに、じゃあ僕らがこうやって飛び出すっていうシナリオをあらかじめ作っておいたところで、その場に来た人の感じ方ってまた違うじゃないですか。例えば、カッコつけて来たものの、そうでもない場だったら、おっと、ってなるだろうし。逆になんかこう抜けた感じで来て、おっと、ってなるかもだし。僕らがあえて皆んなをびっくりさせる様な事もなくて…例えばどんなにすごいパフォーマンスを僕が観たとしても、僕自身が冷めて観ていれば驚かないだろうし。どんだけショボい景色でも観る人によったら涙が出るほど素晴らしいものとして響くやろうし。」

― そこは送り手と受け手の関係性というところなんでしょうね。

酒井
「だから、それこそ親戚のおっちゃんおばちゃんちに行ってお茶をもらうのも、それが当たり前の人もいれば、すごく有り難みを感じる人もいるやろうし。うわ、このお茶むっちゃ美味しいやん、どこで買ったん?ってなるかもしれないし。」

― tamaki niimeとして最高の催しを用意するとして、その楽しみ方っていうのは来る人それぞれに委ねる部分が大きいという事ですかね。

酒井
「ぶっつけ本番のサーカスみたいな。だからそこでどうゆうパフォーマンスをするかはその人自身にかかってますね。」

― そこは筋書きなし、という。

酒井
「僕にとってはひとつ会もふたつ会もそんな感じなんですよ。きっとみっつ会もそうなるし、それが今後どうゆう風に進化して行くのか、変化して行くのかわからないけれど、絶えず楽しい空間ってゆうか、楽しい時間を創れたらなと思っています。」

練りに練った様々な楽しみを用意しつつも、参加者自らがそれぞれに遊びを生み出していける余地を残すという様な、正にtamaki niime的ワクワク感一杯のイベントになりそうなふたつ会。いったい、どんな催しになるのだろうか。開催がワクワクと待ち遠しい。


書き人  越川誠司

https://www.niime.jp/

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