Tamaki Kawakami

本と写真が好き。26歳労働者。

Tamaki Kawakami

本と写真が好き。26歳労働者。

最近の記事

都市での暮らしを山で考える

最近の東京は気が狂うほど暑い。街に出れば汗と排気ガスの匂いで息が詰まる。三菱地所や三井不動産などのデベロッパーは面心立方格子の充填率を計算するのと同じ要領で都市を造っているのだろうか。人は金や銀ではない。そんな都市からのちょっとした逃避行として、先日友人たちと山登りをした。 登った山は三ツ峠山。東京から友人の車で2時間半ほど北西に進む。車内でかけるドライブ用のプレイリストを持ち寄る。基本的にクラシック音楽をかけることが多いが、最近僕はMrs.GREEN APPLEにハマって

    • 【読書メモ】アファーマティブ・アクション-平等への切り札か、逆差別か_南川 文里

      南川 文里さんの「アファーマティブ・アクション-平等への切り札か、逆差別か (中公新書 2811)」を読んだので感想をメモしておく。 「アファーマティブ・アクション」は日本語では「積極的差別是正措置」と訳される、入試や雇用・昇進に際して人種やジェンダーを考慮する実験的で論争的な取り組みのことだ。 僕が米系企業の日本オフィスに勤めているとき、昇進や採用の男女比がだいたい半分ずつに固定されていた。それはきっと料理レシピみたいなものなんだろう。日本人学生の男女をそれぞれ10人、海

      • 感動の感度

        26になって、クラシック音楽にハマっている。 ジムで運動をするときは、クラシック音楽をよく聴いている。今日は仕事を終え、23時から40分ほどジムのランニングマシンでウォーキングをした。いつもは6キロ走るのだけれど、今日は我慢できずに晩御飯を食べてしまったので、ゆっくり4キロ歩く。ランニングマシンの音や、トレーニングマシンのガチャガチャとした音を、AirPodsのノイズキャンセリングで打ち消す。その小さなイヤホンは、反転した波長で見事に外界の音を打ち消す。周囲を遮断するのでなく

        • 暮らしとフライト(ミラノには行けない)

          1週間に1度くらい、人生についての完璧な計画を立てる。それは一点の陰りもなく完成されていて、360度にぴかぴかした光を放っていて、お腹の底のあたりから沸々と明るい気持ちが湧きが上がっているのを感じる。 この完全な立案が成されるのは、大体お気に入りの喫茶店で、天気の良い休日で、世界はすごくシンプルに見える。今自分がしないといけないこと(保険料の支払いとか歯医者の予約とかそういったこと)は、飛行機が離陸するときに窓から見える景色みたいにどんどん小さくなって、頭の中は着陸予定してか

        都市での暮らしを山で考える