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『自家製』に弱い

街をぶらぶらと歩き、さてそろそろ足も疲れたことだし少し休憩したい。
周りを見渡すと、地下に店を構える喫茶店の看板が見えた。迷わずお店に入る。

店内は何ともメルヘンであった。
絵本に出でくるようなヨーロッパの田舎のような雰囲気。
かわいらしい置物や花柄の壁紙に暖かなオレンジ色の照明。
なんとも懐かしさを覚える空間に癒されつつ、席につく。

赤白のギンガムチェックのテーブルクロスに置かれたメニュー。
歩いて喉が渇いたことだし、飲み物をいただこう。

ドリンクメニューを観ていると目に飛び込んできたのは「自家製レモネード」。
で、でたー!
何を隠そう私は最近『自家製』という言葉にめっぽう弱い。

どんなメニューでも『自家製』という言葉が付くだけでとても特別なものに感じる。
『自家製』とつけるのだから、その店で独自の「これだ!」と思える方法で作っているのだろう。
何を使って、どんな特別なものがでてくるのだろう。
わくわくが、興味が尽きない。

程なくしてして注文した自家製レモネードが目の前に置かれる。
一口飲む。
さっぱりとしたレモンの酸っぱさと甘さがぱっと口に広がる。
喉に染み渡り、一気に疲れがとれる。
普段飲むレモネードより甘酸っぱさが身体中に染み渡っていく気がする。

正直、自家製だからと味の違いが明確にわかるわけじゃない。
でも、『自家製』を頂くととお店がより近くに感じられるのだ。
お店のとっておきの物を食べたのだからと、なんだかお店の一部を知ったような気持ちになる。
店内に溶け込んで、もっと居心地が良い空間になる。

だから、『自家製』に惹かれる。

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