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人気者

オラウータンの檻の前は大勢の人集りで、この写真を撮るために近づくにも一苦労した。

こんなに人気物なのに、このオラウータンは決して幸せそうには見えない。むしろ『ハァー』っと、溜息をつているようにさえ見える。
まぁ、行動範囲が檻の中だけに限られ、そこの中だけでの自由しかなく、何を食べるかの選択も出来ないのだから、溜息の1つもつきたくなるか。

ふとテレビやYutubeなどで見る、人気者と言われる部類の人達が頭に浮かんだ。大勢の人から黄色い声援を浴び、例えシンプルでも何だか素敵な服を着て、周りからチヤホヤされ、堂々とした立ち振る舞いでキラキラ輝いて見える彼/彼女ら。正直、羨ましいと言う気持ちがある。

ただ、そんな彼らも、人気のために、いろいろ行動/言動制限をかけていたり/かけられてたり、自分が望んだ事とは言え、名声のために何かの自由がなくなったりしたのかな〜と思うと、会社外では、ほぼ完全に自由である今の自分の方がいいじゃんと思ったりする。

自分の身近な範囲で見かける人気者は、人当たりがよく、笑顔が素敵で、人にほど良く合わせ、マメな方が多いような気がする。
超面倒くさがりの自分は、人と合わせる、愛想笑いをする、連絡をとるなどといった事に、人並み以下の努力しかしていない。
結果、人気者とは程遠い存在だ。いても居なくてもいい人。ただのクラスメート、同僚、業務担当者、ご近所さん。

関係性が終了すれば、それっきり。以降、お互いに連絡を取ることも無い。そんな希薄な関係性しか築いていない。

ただカッコいいだけじゃん、足が速いだけじゃん、〇〇部長に取り入っているだけじゃん、自分はああなりたくはない。人気者に対しそんな風に思った事は数多く有る。(自分ってほんっとうに嫌な奴だ、とこれを書きながら自分でそう思う。)

今更ながら思う。きっと人気者の彼/彼女らは、そのポジションを得るために、それなりの何らかの努力をし、なんらかの自由を失ったのだろう。
事実、カッコよくても嫌われ者はいる。

そして努力が苦手で、出来るだけしないようにしている自分は、このままでいたら将来、孤独〇でニュースになり、近所で一時の人気者(?)だ。

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