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London Calling(25th Anniversary Edition)/ The Clash

Punkが下火になり始めていた1979年ころは、それぞれのバンドが、自分たちの個性を出し始めるとともに、音楽的幅を広げていった時期でした。         その中でもクラッシュは、12インチ・シングルをおまけにつけるとレコード会社の重役を騙し、あふれ出る楽曲を収めた2枚組のアルバムを1枚の価格で販売することに成功します。そこに収められた曲は、R&R、R&B、ジャズ、スカ、レゲエ、カリプソ、ボサノバなどバラエティに富んでおり、それぞれの人種の音楽スタイルを借りた彼らなりのレベル・ミュージックだったと言えます。当時のサッチャー政権に不満を持つ若者は、沢山いたそうですが、彼は、白人視点にとどまらないのところが彼ららしく、ジョー・ストラマーは、インタビューの中で、自分たちは、左寄りで、「当時起こった様々な状況をもっとよくしようと思い、問題定義をしていた。マルクスでも変えられなかったのに、自分たちに変えられるわけないんだけどね。」と話しています。加えて、ジョー・ストラマー、ミック・ジョーンズ、ポール・シムノンが初めて会ったのが、ポートべーローマーケットだったらしく、駅で言うとLadbroke GroveからNotting Hill Gate当たりのカリブ海からの移民が多い地区で活動していたというのも、彼らが有色人種に近かった理由でもあるのでしょう。
 この25周年記念盤は、ミック・ジョーンズの家から発見されたというリハーサル・テープやドン・レッツが撮った“Making of London Calling”(プロデューサー ガイ・スティーヴンスの奇行も見物)のDVDもついており、トッパー・ヒ―ドンのどんな音楽スタイルでも躍動感を演出できるドラムが、当時の勢い、演奏力の飛躍的向上 そして湧き出る創造性で頂点に達していた彼らのドキュメントを、多角的に感じることが、できました。

当時聴いていたときより、今の方が楽しめて、何度も聴きたくなりました。


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