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JIBUNSHI

このサロンのおかしいところは、まず休みがない。
入った当初は週一は取れていたものの、段々と休みがない状況になってきた。
用事があったら休んでも大丈夫と言われていたものの、大した用事もなく、この組織にのめり込み始めていた私は休みをほとんど取らなかった。
そして、最もおかしかったのは、給料という毎月雇われていたら発生する賃金がなかった。
これも、最初は手渡しだがあった。
が、保険は入っていなかったし、年金も引かれていなかった。
雇用保険はかろうじて引かれていたか、という感じだった。
それが、サロンの移転後からは給与という形はなくなり、クレジットカードで使用した分だけ申請してもらう、というなんとも奇妙な形になっていった。
「M18ちゃん、欲しいものはカードで買ってね」と先生にも言われていたし、振込型の光熱費等現金が必要なものはその都度先生にmailをして貰わなくてはいけなかった。
なので、当時私は常に現金がなかった。
よくそれで一人暮らしを指定棚、と今では不思議だ。
断片的に覚えているのは、食料に関しては近くに100円ローソンがあったので、まいにちそこで菓子パンやらを買い。暴飲暴食をしていた時があったことだ。
ルミさんが、体型が細いのに夜中に帰ってカップラーメンやら焼きそばを大量に作って食べている、というのを聞いて、私もやっても大丈夫かもとなぜか思ったからだ。
ストレスというものをはっきり感じたことはなく、忙しく働いている自分にむしろ酔っていた。
たまに前職の時に仲の良かった人たちとの集まりに行って、撮った写真を後で見返すと、顔がパンパンで肌も荒れていたものがあり、その時の生活事情がよく分かる。
休みもない、給与もない、母親に聞かれても濁すしかない状況だった。
そんなとき、社長が私とアヤさんを食事に誘ってくれたのだ。
高嶺の花だと思っていた社長が誘ってくれて、私はかなり嬉しかったのを覚えている。

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