良い歌詞の押し売り
自己分析第2弾です。自分がボカロに染まってから10年経っていることに驚愕しています。あの頃は週刊ぼからんを30位まで全部聴いて、塾のアンケートの裏に批評をひたすら書いていましたね イタすぎる
音楽鑑賞の素地がボカロで出来ているといっても過言ではないですね。最近の音楽シーンは、ボカロPが普通に注目されるだけでなく、「ボカロっぽい」曲調や歌詞が人気になって非常に嬉しいです。ボカロ以外を聴くこともかなり多くなりました。
そんな中で、自分がハマる曲は大半が「メロディ」「リズム感」が鍵になることが多いな~~と気付きを得ました。ただ、音楽理論をしっかり勉強していないので、「マイナースケール・丸サ進行・複数回の転調」とか「ハネリズム・四分の裏拍・変拍子」ぐらいの解像度でしか話せません。音質的にはブイブイいってるエレクトロスウィングが好き。もっと言語化出来るようになりたい。
逆に、「歌詞」でビビっとくる曲は珍しいものの、好きになると一生大事にしてしまいますね。そういう歌詞を分類して把握しておこう、という回です。色んな曲を引用するので、一つでも気になったら調べてみてください!!!オススメもクレ!!!!!!
1 俳句みたいなキラーフレーズ系
たった一言で情景とかが湧き上がってくると、脳内に夏井いつき先生が登場して絶賛し始める。言葉の取り合わせによる技巧派な感じの。
一昔前のアイドルソングとかを耳にすると、「それはもっと省けるだろ!」みたいなもどかしさが湧いてくる、という負の感情の反動かもしれませんが……
『ギターと孤独と青い惑星』結束バンド
半径300mmの体で必死に鳴いてる
直径60cmの範囲に体を無理やり収めようと思ったら体を抱え込むしかない、と想像させるのが良い。元ネタあるんだっけ?『地球の裏』いよわ feat.裏命
薬指にはめたそのゴミは何の証
1フレーズだけで「結婚している二人」と「嫉妬する一人」という三人を登場させる。嫉妬側のドロドロを上手く落とし込んでいるな~と『取扱注意』syudou
骸を綴ろう 忖度は無用
何ならピースから一つ差し引いて
PV見ればわかりますが、主人公が顎に拳銃を当てて自殺しようとしていることを「ピースから人差し指を曲げる」ことで表現してます。ピースから人差し指曲げたら中指立ててることになるのもエグい。
2 クリエイターの苦悩・叫び系
曲のテーマがクリエイター目線の話であると、訴えてる感が強くて好きです。曲作るのってホント大変だからね……大切に聴いていきたい
『ドクトリーヌ』煮ル果実 feat.flower
流行をなかったコトにするな!みたいな『いらないよ』syudou
理想に追いつけ追い越せ!みたいな『プシ』r-906 feat.初音ミク
スキップすんな!大量消費すんな!みたいな『天才』yowanecity feat.初音ミク
消費してる側がゴチャゴチャ言うなウルセー!みたいな
3 メメント・モリ系
無条件に泣く。もしくは気付かされる。
『アソボー行進曲』ぼっちぼろまる
きっと10年経って 100年経っても苦労は絶えないが
全部の全部をまとめてさ 遊び尽くしたって言いたいんだ
さらっと書かれているけど、明るい歌詞の中に「100年」が入るだけで「もう100年経ったら死んでるよな」と気づかせるのが良い。100年間生きた我々の苦労なのか、将来の子供たちの苦労なのか、その辺をゲーム=不朽というイメージに合わせているのも凄い。『1000年生きてる』いよわ feat.初音ミク
生き汚く生きて 何かを作ったら
あなたの気持ちが1000年生きられるかも しれないから
人でも作品でもなく「気持ち」が生きるという表現エグ 確定しない語尾も好き『堕落生活』DUSTCELL
あーそっかそっか! 金のために生きているんだ
あーそっかそっか! 時間を売って生きているんだ
職選びで不安になったらこれを聴く。『ギャンブル』syudou
だけど不安なら無限 時間は有限
しょうもないやつ構っているような 時間はねえぜバカタレ
勉強追い込んでるときに聴くといいっすね。『きみも悪い人でよかった』ピノキオピー feat.初音ミク
時間は有限で 永遠みたいな嘘で 儚い人生の一瞬にきみがいて
つまらない世界を「つまらないね」って笑って
肩を寄せ合う少し寂しい二人がいた
ピノキオピーの曲はどこにでもメメント・モリの要素がある気がする。
4 寄り添う励ましフレーズ系
泣きたいがために聴く曲のリスト、誰でも持ってますよね??
『魔法の歌』PEOPLE1
悲しみなど蓋をして ゆっくりと腐らせてしまえばいい『プリズム』メル feat.初音ミク、flower
干からびたからだでも 潤わせばいい その涙で『雨言葉』Raindrops
辛い辛い世界を 覗いてみてごらんよ
君が思うより 小さいはずさ
5 「街」想起系
曲の歌詞ってどうしても一人とか二人とかに焦点が当てられがちですが、そんな中で「街にいる一人ひとりの動き」を巨視的に捉える曲は際立つと思います。
『ゆめのかたち』ふわりP feat.初音ミク、鏡音リン、……(8人)
かたちを つなぎあわせて のぞみをうんで
それはまた かたちへとかわる『フラワーズ』ASIAN KUNG-FU GENERATION
嗚呼 鐘の音が聞こえて
さあ 終わりじゃなくて始まりさ
6 自我を掘り下げた結果のシンプル歌詞
自我を掘り下げた結果のトートロジー表現とかって陳腐な感じしますけど、その周りの言葉選びが良ければかなり映えると思います。
『ステラ』Leo/need
世界にとって僕にとって ふさわしかった役なんて
要らない 知らない 所詮僕は僕だった『シネマ』Vivid BAD SQUAD
まだここじゃないない 終わりじゃないから
向いてないない なら書き変えてしまえよ
ほら大体いつもいつでもきっと 主役は僕だけだろ『水色侵略』ナユタン星人 feat.初音ミク
もしも360度 全てが虚構でも そこで動いたあなたの心だけは本当
だいたいこんな感じですかね。他にも見つかる要素あったらどんどん追記していきます!