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苦しみからうまれてくるものたちよ

僕が文字でなにかを伝えたいと思っているように、ある人は音で、またある人は絵でなにかを伝えようとする。

創作は何かを伝える手段のはずなのに、何を伝えていいかわからない時の創作は苦しい。

苦しいのに創作をやめない。

その先にあるものを知りたいから。



僕の最推しはBTSなのですが、最近リーダーのナムさんことRMがアルバムをリリースしました。そしてそれに合わせてメンバーのJiminと対談し、今回のアルバムに込めた想いを語ってくれていました。

この対談動画でわかったのはナムさんはここ最近相当思い悩んでいたということです。BTSという存在があまりにも大きなものとなりすぎた。その中で自分個人というものの存在について考える時間があまりにも無かった。

特にナムさんはメンバーのことを誰よりも優先してしまう性格だから余計に自分のことは後回しにしてしまう。グループの中での自分の役割やしたい事と個人でやりたいことや生き方の中で葛藤する。

そんな中でも前作のアルバムを作りあげた。

これで自分を表現できたと思ったのに何故かスッキリしない。

この感情が何なのかもわからない。

同い年のJ-hopeは先に兵役に行ったのに自分はまだここにいることも気になってしまう。

ナムさんはこんなふうに動画内でその時の感情を包み隠さず語ってくれています。

相当苦しかったと思います。何に悩んでいるのかさえわからない状態って一番辛い。

それでも創作するのです、彼らは、RMは、BTSは。

苦しみから逃げずに全て曝け出した。

結果的にこれまで作ってきた曲の雰囲気とは違うものになった。

そこには新たな挑戦も含まれている。

そうやって苦しみの中から産まれた音たちは

あまりにも美しい。

僕がなんでBTSを好きかって、こういう苦しみの部分も全部含めて曝け出してくれるからです。

そしてその苦しみをメンバーがよく理解してくれているところも好きなのです。

対談相手のJiminも何に悩んでいるかわからない時期があった。だから今回ナムさんが悩んでいる様子を見て、あえて声をかけなかった。痛い程気持ちがわかるからだ。今声をかけても届かないのを理解し、見守っていくことを選択するJiminをやはり尊敬せずにはいられない(僕の最推しは誇らしい)。

ナムさんは国会でスピーチするほどに言葉選びに優れているが、Jiminも言葉の選び方が秀でている。

ナムさんの置かれた状況や、今回のアルバムの見どころを誰よりも的確に述べられていた。

「前回のアルバムは何かを埋めて行く様に感じたが、今回のアルバムは全てを曝け出している」

と言っていたし

「このアルバムはミュージカルを鑑賞したような気分にさせてくれる」

とも言っていた。

こんなに近くに自分が作ったものを的確に評価してくれる人がいるのって、どれだけ嬉しくて救われるだろうか。動画内のナムさんはJiminの感想を聞いてみるみる笑顔になっていっていた。良いグループだ。

とはいえ、そのグループが重みにもなってしまうのも事実で、だからこそ葛藤も生まれる。

ナムさんの今回のアルバムのタイトルは、「Right Place, Wrong Person」一曲目のタイトルは「Right People, Wrong Place」

正しい場所で間違った人間だと言われているのは、もしかしたら場所が間違っているだけなのかもしれない、そんなの誰にもわからない。と伝えてくれている。

ナムさん自身に言い聞かせている言葉なのだろう。

グループとしての自分、個人としての自分、どこでどう振る舞うのが正しくて間違っているのかさえわからない。けどそれで良いじゃないかって。

本当に沢山のことを教えてくれるBTS。

まもなく長男が帰ってくる。

順番に一人ずつ帰ってくる。

全員が揃って再スタートを切った時、どんなものが生み出されるのか、何を語ってくれるのか、どんな生き様を示してくれるのか、今から楽しみだ。

そして僕も時には間違いを選択しながらも、自分の伝えたいことを臆さず文字に残していきたい。

希望と温かさを文字にこめていきたい。

終わり



ここまで読んでいただきありがとうございます。