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持ち腐れは放っておいてくれ

才能とまではいかないが、凡人には嵌れない、先天的な感性。

ソイツを全力で奮い、孤独までも味方にする、そんな人間が持っていたら、きっと天才になる。

天才には届かなくても、努力家にはなった。

けど、僕が持てば不毛の産物。生憎、僕の度量と気力には見合わない。

時折、認めさせたい、認められたい、なんて疚しい魂胆だって犇めく。更に時折、でもみんなと一緒のままがいい、独りに耐えられないという恐れに慄く。

出してみればわかることだ。

凡人か天才か。

出せばわかってしまうことだ。

凡人でも天才でもないこと。

いずれにしても見る目は変わる。

その目は怖いからこのままでいいという現状維持と平和主義を振り翳す。大きな傘を広げて、普通に収まる気でいる。けど、そんな風に自覚して演じ、当て嵌ることを意識してる時点で、僕は自ら僕を弾いている。普通から、迫害している。

そうしていたら、現れるのだ。その自らの迫害を誤魔化したことを見透かし、糾弾したがる人。

彼等は何とも賢くて、恐ろしい。

お前は道化だと睨みつけ、お前が本気を出しても俺が勝ると値踏みしたがる。

何もしていないし、何をする気もないし、何かしたわけでもないのだから、そっとしておいてくれ。

僕はひっそり背を丸めて生きるから、放っておいてくれ。君は充分僕よりも立派な人だから。何もしない持ち腐れ野郎に構うのは時間の無駄だろうから。

放っておいてくれ。

そのほうが互いのためだ。

放っておいてくれ。

放っておいてくれ。

放っておいてくれ。

僕は子供が絵を褒めてもらえるような、あの幸せだけがほしいだけなんだから。