自分軸で生きる!「自己決定」

コクレオの森さん主催 学び場コーディネーターmanabee 講座2/4に参加してきました。

テーマは「自己決定」

30分のレクチャー→個人ワーク→グループディスカッション→発表形式で全体交流→各自振り返り→振り返りの交流 

というプログラムでした。レクチャーの内容を受けてからの、グループディスカッションで深まり。全体交流でさらに深まり。濃厚な、でも暖かな時間でした。

この観点、今の公教育に決定的に不足しているポイントだということにも気づきました。。(さかんに「主体的な学び…」と叫ばれてはいますが。。上から「言葉だけ」が現場に押し付けられる、、このプロセス自体がすでに主体的ではないのだ。。)

気を取り直して!まずは簡単にレクチャーの内容をまとめます。

「自己決定」の大切さとは

自己決定とは、選択肢がAとBあったとして、「何が好きかな?どうしたほうが良さそうかな?」と自分の頭で考えて選び取ること。そして、よくても悪くても、結果を自分で引き受けること。

この経験を積み重ねていくことで、考える力(思考力)、選び取る力、がついていくそうです。

自分で選んだことなら、失敗しても自分で納得して引き受けられます。成功体験は、自分への自信にもつながりそうです。

なにより「自分の決定を尊重してもらえる」こと自体が、自己肯定感を高めることにつながります。

「自分で決める」ということは「自分軸で生きる」「自分の人生を生きる」こと!

これからの世界は、予測不可能。情報も溢れかえっています。何を信じ、どう行動するのか。自分で判断し、主体的に生きていける大人になることはとても重要な課題です。

一方、人に決めてもらうばかりで過ごしていると…

考えずに済むので依存的になり、思考力も低下します。「何がしたいのかわからない。」という意欲の低下にもつながります。

「競争、他者との比較、他者からの評価」などはすべて自分の外にある軸。(「他人軸」=「外的動機」)これを目的に行われる学習は、「自分軸」で選んだ主体的な学び、とは異なります。

こういう環境におかれ続けると、反抗的になることもあるそうです。「自分のはっきりとした理由や意志があっての反抗」ではなく、とにかく指示をされること自体への反抗。「この枠組みは、窮屈なんだ!」ということですね。(もしかして、「学級崩壊」の原因ってこれも大きい!?)


自己決定の育み方

自己決定のプロセスには、「失敗」がつきもの。失敗しながら、取捨選択の力をつけていくんですね。

なので、すごく大切なのは、「失敗しても大丈夫!」「もう一回やってみたらいいんだよ。」とメッセージを伝えること。

家も学校も、「安心して失敗できる環境。」であることが大事です。

「ほーら、だからお母さんはBのほうがいいって言ったやん。」はダ・メ(笑)自信を失って、「じゃあ次はお母さんに決めてもーらおう」となります。気を付けなくては!!

後半のディスカッションで、参加者さんから「失敗を許さない社会だから、大人も安心して失敗できないよね。」という話が出ました。すごくわかるなぁ。

かつて、自分の軸を持たされることなく、均質な教育を受けてきた私たち(泣)が、大人になって社会を作っているところに難しさがあるのかなぁ。とか思いました。教育の力って、よくも悪くもすごい影響力を持つのでは。

寛容な社会を作りたい。子ども達には寛容な環境でのびのび育ってもらいたいし、大人になって、自分軸をもってこの社会をよりよくできるメンバーになってもらいたい。そんな大それたことを思いました。

主体的な学びのための環境〜箕面子どもの森学園では

考える→決める→実行する→振り返る→考える…のサイクル(PDCAサイクル)このサイクルを子どもが主体的に行えるように。

箕面の子どもの森学園では、どのような環境を設定されているのか!?お聞きして、感激しました。せっかくなので、公立ではどうなっているのかを(かっこ内)に書きました。ズーン。

①子どもが学ぶ場を決める 見学 → 体験 を経て、子ども自身の意思の確認後、晴れて入学決定! 

(就学通知で、「〇〇小学校」と書かれて市から送付されます。一応もう一校選べるけど、学校によって取り組みに差がない。。)

②学習する内容を決める  週に一度、子ども自身で学習内容を決めて、時間割を作成。進度は学年によって定められず、自分の理解や興味に合わせてOK。目安だけはスタッフから提示がある。週末にスタッフや家族とともに振り返る。

(学習内容は学習指導要領の中ですべて定められている。時間割は先生がすべて決める。内容が教科書から離れることはほとんどない。)

③学びのペースを決める 月に一度、進みたい目標を各自設定し、PDCA。

(子どもはおろか、先生にもペースを決める決定権はない。学期末の評価に間に合うために、時間割をやりくりする。子どもの理解がいまいちでも、先に進まなければならない場合も多々ある。)

④やりたいことを決める 「プロジェクト学習」 挑戦したいこと、仲間、方法まですべて自分で決める。 

(一部の先進的な学校を除いて存在しない時間)

⑤自分の役割を決める 行事も一から子どもが企画。必要な役割も自分たちで考え、自らの役も自分で決める。

(大きな行事は年度初めに職員会議ですべて決定。内容はほとんど前年度踏襲。丁寧に議論する時間もない。先生側に、まさに「失敗できない」感覚がある。子どもに意見を聞くことも、あまりない。)

ますますコクレオの森さんラブ❤︎❤︎

って話と共に、公立の小学校の現状をつきつけられて、どよーーん。

こ、子どもに選択権が、無い

それどころか、先生に選択権がないものも多い!

ずずーんとなりますが、担任の心がけ一つで、なんとか子ども達の選択できる範囲を増やしていくことができることも、たくさんある。(公立で素敵な取り組みされてる地域も出てきているそう!なので、今度ノートにしてみたいです。)

なにより私自身、「自己決定」を意識した取り組みを教室でしたことがないので。。自己決定を尊重してもらえる取り組みの中での子ども達の輝き方を、みてみたいなあ。実践されたことのある先生方は、みんな揃って「すっごく伸びるよ。子どもの力はすごい!」って言う。

どんな風に伸びるんだろう。いつか実践してみたいー❤︎

ディスカッションからの学び

講義の後のディスカッションでは、さらに深ーい話に突入。

・子どもに自己決定をといっても、ゼロベースからポーンと放り投げるのは、放任に近い印象だなあ。ある程度の枠組みも設けて、参考にできる選択肢、大人の思いを伝え、子どもの思いを聞きたいね。

子どもに自己決定してもらうには、対話が欠かせない。

・同じ机のママさん達。お小遣いを現金か電子マネーか、さらには円建てかドル建てか、を選んでもらっているという話をお聞きしました。さらには仮想通貨まで飛び出して、目から鱗! 選択肢をせばめるのも大人、広げてあげるのも大人

枠組みの大きさは、子どもの発達段階も見ながら、少しずつゆだねる範囲を広げていく。

・命にかかわること以外は、子どもに任せていいのでは?いや、命にかかわることだって、究極的には大人ではなく本人の責任(本人のもの)なのだ。

学校などの集団では、そういうスタンスは難しいけれど。親として、腹をくくらなければならないなぁと。

・今の公教育の在り方について、暗い気持ちになる現実は多いけれど、目を背けないこと。逃げないで、様々な立場からいろんな場所に声を届ける(国に、自治体に、学校に、友達に)努力が大事だ。

すっごく深い学びと気づきの時間。そして厳しい現実もある中で、暖かい気持ちになって終わるのが本当に不思議❤︎ 

来年度も開講予定だそうですので、お近くの皆さまは、ぜひ参加されてみてくださいね。

長文読んでいただきありがとうございました!

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