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甘い記憶 semla

興味本位で一口かじったら、
いつの間にか夢中で口いっぱいに頬張っていた。

ほわほわで優しい甘さのクリームと、ほのかにカルダモンが香るしっとりとした生地のパン。
そこにシャリ、カリッとアーモンドクリームが愉しさをも感じさせる。

私とセムラが出会った日

普段、クリーム系のお菓子には惹かれないけれどお気に入りの北欧カフェでセムラを初めて見つけた。
そこではセムラは、2月頃からイースターの時期まで食べられる物だと聞いていたので「セムラって見た目が卵っぽいし、中からひよこが出てきそうだからイースターを意識して作られた物なのかな。」と思っていた。
北欧の文化には興味があるし、向こうで食べられている物ならとりあえず食べてみるか!というノリで頼んでみた。

可愛い。

愛おしい。

「セムラってイースターの卵を意識した焼き菓子ですか…?」と店主に聞いてみると、

「そうですよね、確かに見た目が卵っぽいですよね🤭
でもこれはイースターの為の焼き菓子ではないんですよ〜。北欧では昔、断食をする習慣があってその為に脂肪を蓄える日があって高カロリーの食べ物が出てくるようになりました。その中のひとつがセムラで、今は断食の習慣はなくなりましたがセムラは美味しくて人気なので今でも食べられているようです。」と教えてくれた。

私が想像していたセムラ誕生話とは、全く違う展開だったけれど高カロリーで丸くてコロンと可愛いフォルムは反則。そして味も抜群に美味しい。
深煎りのコーヒーと一緒に食べたらそれはもう至福。

興味本位で、特に期待しないで、
仲良くなったら好きになっちゃった。

私はこれからもセムラと一緒に成長していきたいな。

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