マガジンのカバー画像

WebMagazineタマガ

31
多摩美術大学芸術学科フィールドワーク設計ゼミが発行しているウェブマガジンです。芸術関連のニュース、展覧会評、書評、美術館探訪記、美術家のインタビューなどアートにかかわる様々な記事… もっと読む
運営しているクリエイター

#現代アート

未来を望む! 新たな国際アートフェア「Tokyo Gendai」を訪ねて

 フェア初日の7月7日は、日本や中国で毎年行われる伝統行事「七夕」である。会場中央では、そのイメージを表現に取り入れたという彫刻家・大平龍一のインスタレーション作品《The Circuit》が展示された。今回のアートフェアのために制作されたものという。たくさんの彫刻が立つ中に、レース場のような「サーキット」が敷かれている。伝統的な美意識や文化の多様性を問うコンセプトと、ダイナミックな展示方法が印象的だった。 アートの未来のあり方を感じる展示  Tokyo Gendaiは、

カードゲーム『PLAY!たぐコレ』で 「現代アート」と遊んでみた

 「アート」の表現や解釈に正解はない。表現する側も、鑑賞して受け取る側も、さまざまな感情や感想を持つものだ。そこには当たりも外れもなく、自由な解釈が出来るのが面白いところである。だからこそ、作品を鑑賞して「よくわからない」と思ってしまうのはもったいない。そこで、今回は現代アートをもっと直観的に、感覚的に、遊ぶように鑑賞をすることができる『PLAY!たぐコレ』というカードゲームを紹介したい。まずは、実際に遊んでみることにした。  木々の葉の色が深まっていく11月中旬。多摩美術

コロナ禍で変わる「ばえる」概念

美術館に「ばえる」という概念は何をもたらしているのか。オンラインメディアに造詣が深いキュレーターの四方幸子氏(キュレーター、批評家/多摩美術大学・東京造形大学客員教授)に聞いた。 本記事は、多摩美術大学芸術学科フィールドワーク設計ゼミが発行しているアート誌『Whooops!』Vol.29(2021年10月21日発行予定)P.10に掲載される同タイトルの記事のフルヴァージョンです。Whooops!誌からの問いに対して四方氏が答えるQA形式で記事を構成しております。 はじめに

朴訥とした語りが宗教とは何かを考えさせる石原海の映像作品/資生堂ギャラリー

東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催されている『「第15回 shiseido art egg」石原 海 展』を訪れた。出品作の中でメインとなる《重力の光》は、30分ほどの映像作品。「最後の晩餐」と思われる場面など聖書に題材を取り、石原が監督を務めたものだ。 石原海《重力の光》(2021 HDヴィデオ 30分)より 会場風景 出演者へのインタビューも途中に交えて、一つの作品としている。 通常の映画と異なるのは、撮影現場が基本的に実在の教会を主としており、10人の出演者が実際に

過去の「タマガ」記事(2021年8月以前)

2021年8月以前の「タマガ」記事はこちらをご覧ください。 主な記事 ・未知なものがふと体に入るとわくわくする/鴻池朋子さん ・チームラボが禅の「円相」をテーマに立体の書に挑戦 ・アルチンボルド的徳川家康登場/こんなアートがあってもいいじゃないか ・彼女はなぜ紙を切り続けるのか――ポンピドゥーセンター・メッスで阿部幸子がパフォーマンス ・大震災とアーティスト