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本当の夕焼け本当の姿

夕暮れまで今日もたどり着いたことにほっとする。

春らしい日中の暖かさがあるひと時を境に影を潜める。

それでも随分過ごしやすい季節になった。

「今の気候がずっと続けばいいのにな」次女の言葉に確かにそだねーと、返す。

窓を全開にしてみたら、地球が大きく深呼吸したみたいな風が勢いよく部屋中に流れ込んだ。


我が家の立地は、西隣に家が隣接していない。

そして、少し小高い所に建っている。 

よく言えば、見晴らしのよい家。
悪く言えば、吹きざらしの刑にあう家。



なんどきも風を感じる家なのだ。


真冬と真夏以外は、基本的に窓は全開スタイル。

2階の窓から見える、なんの仕切りもない1日が閉まっていくみたいな西の空を眺める時間が好きだ。


そこから見える雲が日に日に膨らみを増している。
その形は季節の移ろいを連想させて、雲がバトンを次の季節へと渡そうとしているみたい。



雲がオレンジに染まり始めると、毎秒表情を変ていく。
流れ燃えるような夕焼けを逃すまいと西の空に向かってiPhoneを構える。

今度こそはと期待を込めるも何枚とってもなんか違う…。

いつも肉眼で見る感動と同じ熱量をおさることができず少し歯痒い。



「もっとキレイなのにな…。」
沢山のオンンジで埋まる画面をみてつぶやく。

いつか本当の空が撮れるといいなと思う。

そしていつか本当の自分になれたらいいなとも思った。



人から、「大丈夫?」と聞かれたら

いつだって、

「大丈夫」が口癖。

大丈夫な人になりたい。
願望を込めてそう答える。



生きているとほんとに色んなことが起こって、色んな気持ちに飲み込まれる。

それでも1人の大人として続けて行かなくてはならない様々な人間活動。

結構な局面にいるときに、久々に再会した友達に元気そうやん!と第一声をかけられた。


心とは真逆の見解を与えれる程に普通より元気風にできたりする。


それが大人なのか、それが生きる術なのか。

本当の自分ってなんだ。

色んなことが大丈夫じゃない日もあるけれど、大丈夫そうに見えるのならまだ、大丈夫なのか?


1日の終わりが近づく夕暮れに、大丈夫でも大丈夫でない日も思うことは、風が気持ちいい。

我が家から見える西の空

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