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善人と偽善者と悪人と極悪人


自分はいい人?


わたしは特別、善人でもなんでもないのだけど、どこかでずっーーと自分はいい人だと思って生きてきた節がある。

根本的に人を傷つける行いは、そうする自分が許せないし、困っている人がいたら何かの役に立ちたいと純粋に思う。  

小さな悲しみや怒りに苛まれてしまう時はあるけれど…。

人が人を思いやる所作や心意気に出くわすと温かい気持ちがいつも流れる。  

で、それがいい人なのか??

どんな悪人であろうとも、自分のことを善人だと思っている

浄土真宗とか、カーネギーも言ってる

んんんん?
っとなると…。

ちょっといい人に対する自分の認識がそれで合ってるのか?


そもそもいい人のジャッジは自分が下すものではなく、相手からの評価なわけで…。

いいか悪いかは思いっきり主観になる。

自分をいい人と思っていたいが正解のような気がする。

円滑な人間関係の基本はギブ&テイクはもはや周知の事実。

が、最近知った最高の人間関係は


ギブギブギブギブ

ギブが4回!

人に与え続ける人生。
それこそがいい人らしい情報をキャッチした。

ぐらりと自分のいい人の概念が足元からゆれる。

なぬ?
ギブ&テイクのその持ちつ持たれつの一定のリズムすら刻めてるか不安なのに?


ギブ✖️4回を知ったからには、
何か日常にギブできることはないか?探すように暮らしてみた。

一昨日、小学生の男の子2人が道端で自転車を囲んでる。
チェーンがおかしくなったのか、その辺を触りながらガシャガシャさせて困っている様子。

腕時計をチラリとみる。いつだって何かに追われている。
だけど、困ってる人を助ける時間ぐらいはいつもある。

声をかけるべきか、素知らぬふりをするか?

ギブ〜

どこからか声が聞こえる。

子どもに少し近寄り声をかけた。

「チェーン?ハズレたん?」「大丈夫?」

子どもがそれらそれは光の速さで
「大丈夫」

なんやったらだれ?
ほっとけ!
のニュアンスをもふくむ大丈夫にも感じる。

「わかった。気をつけてねー」
と、立ち去る。
??
これってギブなわけ?

また、別の日
雨が急に降りだした。

手押し車を押しながらおばあちゃんが雨にうたれて坂道を登っている。

一度横を通り過ぎたけど…

また、あのギブの声がする。

坂道を小走りで登り返して
「この傘に入ってください」
「ご自宅近くまでもしよかったら」

傘をお貸ししても手押し車を両手でホールドしながらそれを頼りに歩いてるように見えたから、片手で傘は難しいかな?とおもったのだ。だからそう声をかけた。

「大丈夫」
「本当に近くだから」
「カーディガンもきてるから」

「わかりました。お風邪ひかないように気をつけてください」すばやく立ち去った。

カーディガンって雨をむしろ吸収するような気がするけど…の疑問が脳をかすめる。

また?結局何もせず引き下がる。
ギブは難しい…。


そして、昨日。
空手の道着を着た小学生が雨に打たれて自転車を押している場面に遭遇した。

これはこの前の小学生とおばあちゃんのお困りごとをミックスさせたバージョンだ。

どうする。

ギブにアタックするのか?

心でごちゃごちゃ自分と語り合っている間に子どもがずぶ濡れになって横を通過していった。

「大丈夫?傘さそっか?送ろっか?」


が、喉元で止まって言えなかった。

振り返りながら、雨にうたれる子どもの小さくなっていく背中をただ見つめていた。
早く家にたどりついてね。と思いながら。考えていた。

ギブじゃなくて、
わたしの行いは偽善者なのでは?

いい人でありたいからくる損得感情?

いや…でも困ってる人がいたらやっぱり気になるし、何かできることがあるなら少しでも。

懲りないわたし。

今日もレッツギブを探しの旅へ~

行きずりの人にギブのハードルは高い…。

と、わかったので今日は処方箋薬局でそれを試すときがきた。

お薬のお会計3698円。
10000円を支払った。

薬剤師さんが

「はい、6302円おかえしね。」

フラッシュ暗算!!かと思うぐらい早くて驚いた。


そうだ!
今だ。来たよギブの出番。


「計算めちゃくちゃ早いですね。すごいですね。」

今日のギブは賞賛でいってみた。

薬剤師さん結構お年を召された感じ。

ぱぁーーっと、お顔に花が咲いたのを見逃さなかった。

「必死でしてますから。」ニコッ。

「すごいです!早いです」

「えへへ」
「あはは」

お互い様に
「ありがとうございます」薬局を後にした。

どうよ!これギブったんじゃない?何となく心地よい風が心に吹いた。

ギブ探しの旅は偽善者かもしれない。
だけど偽善でもゼロよりはいい。きっといい。

極悪人よりは悪人の方がまし。
そんなレベルかもしれない。

それでもいい人でいたいのは、いい人に囲まれてきた恩返しがしたいのだ。

仕事でペシャンコになったわたしをフォローしてくれる先輩。誰もいなくなったすきに声をかけてくれた。
しんどいときの優しさは泣きそうになっちゃう。絶対泣かないけど。

打ちのめされて帰宅した日の夜。
何にも言ってないけど、
「仕事辞めてもいいよ。」
と、突然主人が言った。

経済的に絶対やめたらあかんやつ。

その言葉だけで心に別のスペースができる。がんばってみようと思える気力がそこを陣取る。

善人と偽善者
悪人と極悪人

何となく頭に浮かんだ4者
考えていた。

知らぬ間に悪気なく傷つけた人から悪人呼ばわりされているかもしれない。

自分のことを極悪人だなんて思いたくないけど、事情や都合がかわればそうなるかもしれない。

4者の素質の可能性はいずれも0ではない。

善人と偽善と極悪人と悪人を混在させたかりそめの自分。

ギブギブギブギブの道のりは果てしなく長い。

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