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朝起きたら【メガオ】になった次女

10歳次女の眼鏡人生が昨日から始まった。

目が悪いかもしれないと疑いを最初に抱いのは主人。

目の悪い主人のメガネを面白がってかけた時

「見やすい!」
と発言。

おかしい…。

「僕のメガネ、かなり度がキツいはずやから、痛いはずやねんけど」

そういえば、最近目を細めてる動作を時々しているような。

来週から新学期も始まることやし、
1度メガネ屋さんに連れていくことにした。

メガネ屋さんのおじさんが早速次女の視力を測定。

お母さんはどうぞ子どもさんの後ろにいてくださいとうながされ検査室の中まで同席

「これはどっちむき?」

Cマークが色んな向きになって大小さまざまにあちこちで光る

次女まさかの勝率2割。

後ろで見ていた母。
うそやーーこれが見えないの??の声を飲み込んだ。

Cの次はひらがなバージョンでも測定。
次女にはほとんどがに見える。 

たまに

しかし非常に残念なことには1回も出てこなかった..

メガネ屋さんが

「これは、かなり視力が落ちていますね…。」

「ここまで落ちていると勉強中だけではなく、この子が寝てる間以外の全ての時間にメガネをする必要があるでしょう。

えっ、そんなに。

でも、Cの向きのほんとんどが不正解で文字がにしか見えないなら致し方ない。

まさか自分の子どもの目が悪いなんて…

いつからだったんだろう。
学校の検査でも特に申し送りはなかった。

「小2ぐらいからガクッと落ちたのかもしれませんねー」
「もう少し早く来て欲しかったですね」
と、メガネ屋さん。

もう少し早く来ることで少しでも低下を回避できたのなら早く来たかったよ。
無念すぎる。
嘆いてもしかたないけど。

測定の次は、メガネライフについて説明をうける。

メガネをしない弊害。
今後のメガネ人生は一生確定であること。
視力は今後も下がることはあっても上がることは無いこと。
そして必ず今より下がるのは必須であること。
あれこれを淡々としつつも切実に正直に教えてくれた。

わたしは即座に質問の嵐。

目が見えにくいの感覚がまったく分からないのだ。なぜなから私の視力は1.5だから。

そもそも、視力はなぜおちたのか?
それは先天的なものか?後天的なものなのか?

上の二人姉兄とさほど変わりばえの無い生活を送っているのに。
上の2人は特に悪くない。

1番読書家の次女。
もしかして、やや暗いところで時々、読書をしていたせいかがよぎる。

はたまた我が家の照明が変にムーディーなせいか。

後天的なものによる低下ならわたしは申し訳さで心がつぶれる。

次女の目を守れなかった母の烙印が重くのしかかる。


心で漏れ続けるたくさんの
あぁーーあああぁああぁあ

が、メガネ屋さんはいう。

「恐らく、後天的なものでは無いです。」

眼球に実はかなりの個体差があり
完全な球体から、ラグビーボールのような形によってるものや、眼球自体の表面積の大きさの違いなど…

色んな要素が絡み合って視力の低下に繋がっているのて、後天的な生活のせいでは無いを力強く断言してくれた。

もって生まれた目玉のポテンシャルがそもそもの視力の善し悪しに大いに関係していることを丁寧に教えてくれた。

例えそれがわたしの落胆を見かねた慰めであったとしても救われた気持ちになった。

だから良しとするわけにもいかず視力が低下してしまった事実は変わりないのだけど。

メガネ人生のスタートならば、メガネマスターになるしかない。

またまた、質問の嵐。
10歳の子どもにはどんなメガネが1番いいのか。
顔面がおおげさではなく3.14の円周率を誇るまん丸の輪郭にはたしてどんな形がベストオブなのか。

鼻の付けの名称もしらぬあの部分はどんな形がいいのか?

母はまるで視力を取り返すかのように必死。

メガネ屋さんはいう。

「この子が1番好きなものが1番いいんです」

いくら似合うメガネがこれだとオススメされてもそれをかけ続けるのはこの子です。
顔に1番似合わないメガネでもこの子がそれを好きならそれがいいんです!

この子の1番好きな形と1番好きな色をこの店の中から選んでください 。

しびれるメガネ屋さん談

ははーーーー

心の中で土下座してひれ伏すほど納得。

母、愚かである。

次女をみてみよ。
持ち前の明るさで早速始まるメガネライフに誰よりもワクワクしているじゃないか。
終始ニコニコしている。
母が落ち込んでいてはいけない。

次女の選んだメガネはまん丸メガネ。

丸い顔にまん丸のレンズを合わせることが正解なのか? オシャレなのか?なんなのなかは知らんけど。

メガネを装着してニコーーっと笑顔の次女をみて

それにしよ!

子どもなので破損や紛失やら、なにをしでかすから分からないからと、もう1つメガネを買うことになった。

次女はもうひとつもまん丸レンズのものを選んだ。
フレームだけで差をつけつつも、まん丸が2セット。
いいよー。いいんだよ。


早速、帰り道からかけて帰った。

運転しながら、後部座席の次女の言葉が止まらない。

東大合格24名
カツ丼890円
大阪328
に12−56

街中にはびこる看板の文字。前を走る車のナンバープレート。お店のメニュー。

文明の利器を得た原始人のようにウホウホしてる。
メガネは次女のぼんやりした世界を一掃した。

見える喜び。
見えない辛さを知らなかったから母は胸がギューっとなる。 

1.5の視力の半分でもあげたい。
いーや代われるならこの目と変わってあげたいぐらい。

わたしも42年クリアな世界を見てきたから。もう十分だ。

でも、いくら願ってもそれは無理なこと。

なにより次女は1ミリも悲観してない。
ワクワクしてまん丸メガネを武器にしている。

見えて良かったね。
読めてよかったね。

帰り道ずっとあの看板は?あれはこれは?嬉しくなってたくさん質問する。
その全部に答える次女。

博多ナスと答えたとき
読めるのと合わせて、読めるの??が重なる。

博多なんてよく知ってたなー」

「知らんかったけど、コナンに出てくる阿笠博士の博やからハカで、が2つけどのままだとしたら、
ハカタってなんか聞いたことある気がするからハカタナスかな?と思った。


そんなことで泣きそうになった。

すごいやん。すごいやん。
読めるのも、読めたもの嬉しいなーー。

次女の明るさは天井を超えて天界に辿り着いている性格なの、メガネとともに生きることを存分に受け入れ楽しんでいる。

朝起きたら次女はいつも台所までご挨拶にきてくれる。

手をついておはようございますを律儀に毎朝欠かさない。

ご挨拶の声に振り返ると顔をあげた次女にもう丸まるメガネが装着済み。

もうつけてんの?
えらいやん。

朝ごはん後には洗面台で顔を洗う次女についていってみた。

メガネを外しながら、
「1日メガネしてただけでもう顔がメガネの顔になったわ」と次女がいう。

「あっ、それな。
メガオのことやろ。」とわたし。

「メガネしてる人がメガネの顔になることをメガオっていうねんで。」

「知らんかったー」と次女。

知らんやろな。
私が作った言葉やから。

「メガオはメガネが似合いすぎで違和感ない素敵な人のことやから。」

「メガオやったー」

太陽みたいな次女。
まん丸メガネ最高に似合ってるよ。

この世界に溢れるたくさんの美しいものをそのまん丸メガネと明るい心でよーーくみて大人になってね。

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