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「決算書」の読み方と「経営分析」のポイント

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「5つの箱」で理解する! 貸借対照表、損益計算書の読み方とキャッシュフロー経営の実践、そして採算管理の基本までをマスター。生産性の高い企業であり続けるために大切なこと、経営分析の…
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#損益分岐点

第5章 採算管理と損益分岐点分析

2.損益計算書の利益では採算を捉えられない  「いちご大福」の損益計算は正しいか?  「いちご大福」を1個100円で売っている「いちご大福屋🍓」を事例に、まずは損益計算書での利益を見ておきましょう。  「いちご大福」を作るための苺(いちご)や餡(あん)など原材料費は、1個当たり30円です。  いちご大福作りの職人さんの給料は300円で、電気・ガス・水道代などは200円かかりますが、10個作るまでは残業代や追加のコストは増えません。  「いちご大福屋」では、美味しい「いち

第5章 採算管理と損益分岐点分析

3.「限界利益」が固定費より大きいか 採算計算では費用を色分け  損益計算書では、10個作った「いちご大福」のうち8個売れたら160円、4個売れたら80円、1個しか売れなくても20円儲かるという話でしたね。  これでは経営の舵取りができないので、本当の儲けが知りたい!  そのためには、採算管理の考え方、いわゆる「直接原価計算」により、「いちご大福屋🍓」の本当の儲けを計算してみましょう。  採算計算のためには、まず原価の中身を整理することが必要です。  先に見たとおり、「

第5章 採算管理と損益分岐点分析

5.「損益分岐点」をおさえよう 損益分岐点では固定費と限界利益が同額  「売上高-総費用=0円」となり、利益も赤字も出ない地点の売上高を「損益分岐点」といいます。  損益分岐点売上高は、売上高と総費用が同額であり利益がゼロになる地点の売上高です。言い換えれば、限界利益で固定費をカバーし切れなかった、つまり、限界利益と固定費が同額になる地点の売上高といえます。  限界利益こそが固定費を回収するパワーの源ですが、損益分岐点売上高では固定費を上回る限界利益を稼ぎ出せなかった