ワイン入門の思い出 ⑤ボルドー赤 クリュ・ブルジョワ

千円前後の赤ワインをランダムに拾って飲んでいく中で、特に難しいなと思ったのがボルドー赤です。当時、この価格帯では、固くて渋くて青臭いものしか見つけることができませんでした。

特に千円を切るとかなり厳しい印象です(今でも難しいと思いますが)。そこで、予算を2千円前後まで広げて、やっと美味しいと思えるものに当たるようになってきました。特に印象に残っているのは、以下の2本です。

シャトー・ボーモン

ボルドー左岸、オーメドックのクリュ・ブルジョワのワインです。ブドウ品種は、カべルネ・ソーヴィニヨン55%、メルロー43%、プティ・ヴェルド2%(2013年のデータ)。当時の価格は、千円台中盤から後半だったと思います。

2003年の格付けでは、クリュ・ブルジョワ・シュペリュールに格付けされていました。そこからも品質の高さがうかがい知れます。

ボルドー赤の入門的ワインでメジャーなものと言えばこれを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?スーパーでも売っていて入手しやすいところも、入門者には重要なポイントです。

最近も飲む機会がありましたが、果実味の抑制が効いた、ボルドーらしいエレガントなバランスが感じられる造りです。地理的には、サンジュリアンとマルゴーの中間に位置するとのこと。この価格帯のボルドー赤としてはとてもよくできていると思います。

シャトー・レイソン

ボルドー左岸、オーメドックのクリュ・ブルジョワのワインです。ブドウ品種は、メルロ90%、カベルネ・フラン10%(2015年のデータ)。当時の価格は2千円後半で、現在とほぼ変わっていないようです。こちらも当時、スーパーで売っていたワインです。

当時の印象として、ふっくらとした柔らかい果実味が印象として強く残っています。サンテステフの近くに位置しており、メルロー主体の土っぽい柔らかさが綺麗に表現されていたのでしょう。今思えば、カベルネの特徴が出ているシャトー・ボーモンと比較して飲むと面白かったのかもしれません。

こちらも、2003年の格付けでクリュ・ブルジョワ・シュペリュールに格付けされていました。

クリュ・ブルジョワ、そしてグラン・クリュへ

当時は特に格付けを気にしてこれらのワインを買ったわけではないのですが、いろいろと飲んだ中で結果的に印象に残っていたのは、クリュ・ブルジョワのワインでした。入門書片手に、たまたま買ったワインのエチケットの読み方を調べていて、"Cru Bouregeois" という記載がブルジョワ級ということを知った時には、心が躍ったものです。

そして、同時にグラン・クリュへの興味が湧いてくることになります。しかし、当時でもグラン・クリュは5千円からという世界だったため、ボルドーが美味しいと認識した後も、しばらく手を出せずにいました。


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