ワイン入門の思い出 ④オーストラリアのフルーツ爆弾

ワインに詳しくなっていく段階の中で、誰しもフルーツ爆弾と呼ばれるタイプの濃厚なワインに遭遇すると思います。私が初めて経験したフルーツ爆弾は、オーストラリアワインでした。

ローズマウント GSM

オーストラリアのローズマウント社が造る、GSM という赤ワインです。私がワインを飲んでいるのを知った人が、手土産に持ってきてくれたものでした。

ブドウ品種は、グルナッシュ、シラーズ、ムールヴェードルで、GSM はこれらの頭文字を取ったものです。この表記はオーストラリアで見かけることが多く、GMS というところもあります(トルブレックなど)。

当時は3千円くらいで買えたのですが、現在は"フラグシップ"と銘打っており、価格も倍になっていました。おそらく昔と今とでは、中身が全く違うのでしょう。

その時は、これほど濃厚な赤ワインは飲んだことがなく、インパクトは強烈でした。果実味豊かで甘やかな味わい、そこにリッチな樽香が乗り、ウイスキーっぽい感じがする!と思ったことを今でも覚えています(今だったら、ブランデーとコメントしていると思います)。

初めて経験したフルーツ爆弾ワインなので、生産者だけでなく、GSM という名前にも思い入れがあります。今でも GSM という名前を冠したワインを見ると気になりますし、思わず購入してしまうことも多いです。

ローズマウント トラディショナル

GSM の衝撃の後にしばらくして、同じ生産者のトラディショナルというワインを見つけ、気になって仕方なくなり、飲んでみることにしました。価格は GSM と同じく3千円でした。こちらはすでに生産終了で、Amazon になかったので写真が載せられないのですが、当時の GSM のボトルと同じデザインで "Traditional" と書かれていました。

ブドウ品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルドのトラディショナル・ボルドーブレンドです。しかし、方向性はボルドーとは全く異なり、GSM を超えるフルーツ爆弾でした。圧倒的なヴォリュームの果実味に、甘く焦げたアメリカンオークが乗って、非常にパワフルな味わいです。

千円台のワインの限界

こんな感じで、GSM とトラディショナルは、私の記憶に深く刻まれるワインになりました。ローズマウント、最近はあまり実店舗で売られているのを見かけなくなりましたが、今でも密かに応援している生産者です。

また、ここの千円台のものも飲んだのですが(カベルネとシラーズのブレンドとか)、あまり記憶に残っていないところを見ると、よくあるオーストラリアの赤という感じだったのだと思います。

やはり千円台では限界があり、特徴のあるワインを飲もうと思ったら、少し財布の紐を緩める必要がありそうだ、と思った瞬間でもあります。このあたりから、予算を3千円くらいに上げて、ワインを買うようになっていきました。

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