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雪解け、春待ち。

ざく、ざく、ざく。

私は今日も雪を削る。

ざく、ざく、ざく。

「なにここ!固ってぇ~」

腕が痛い。

『雪を削る』と言っても、別に雪像を作っている訳ではない。

家の庭に広範囲にわたって鎮座する巨大な雪の塊を、雪かき用のスコップで削って崩しているのだ。数ヶ月間かけて降り積もったの雪の塊は、圧縮されていて重たい。とても地味な作業。

先週は北海道も春の陽気で、雪解けが進んだ。

放っておいても雪は溶けるのだが、アスファルトが見えてきたら、雪崩しチャンス。
黒い地面が太陽の熱を吸収して温かくなるので、雪を溶かしやすくなる。

冬の間じゅう、一面真っ白だった外の世界が少しずつ色を取り戻す。
雪国の民は春が待ち遠しくて(私だけかな?)雪の塊を崩し、路面の氷を砕く。

はやく、春がくるように。

冬から春にかけての、土の匂いが好きだ。
「ああ、季節が動き始めたな。」と思う。
家の庭には小さな畑がある。現在まだ雪の下になっているので、早く掘り出してあげたいところ。

畑には、3年前からあるアスパラガスの苗と、去年植え替えたいちごの苗が植えっぱなしになっている。

アスパラもいちごも、雪国で越冬可能なほど寒さに強い。植物の生命力には本当にびっくりさせられる。

秋に黄色く枯れはじめ、冬は雪の下に埋まり、春になるとまた緑の芽を出す。凍った土の中で、暖かくなるのをじっと待っているのだ。

今年もまた、収穫できたらいいな。
新しく、何を植えようかな。
そんな事を考える時間が好き。

去年採取した花の種も蒔きたいし、春は、やりたい事がたくさん。

「……待ち遠しい!」

去年は自粛自粛の1年で、家にこもりがちだった。そうして気持ちも弱っていった。
そろそろ私も外に出て、動き始めなくては。

だから私は、今日も雪を削るのです。

今までいただいたサポートを利用して水彩色鉛筆を購入させていただきました☺️優しいお心遣い、ありがとうございました🙏✨