スーパー歌舞伎~後編~
前編ではスーパー歌舞伎の成り立ちと、作り手側の意識についてお話してきました。後編では受け手である私たちに焦点を当てていきたいと思います。
アンケート内容
今回、歌舞伎やスーパー歌舞伎について5つアンケートを用意しました。アンケート自体はおよそ40人の同年代の若者に向けてInstagramの機能を用いて行いました。
(1)歌舞伎にどんな印象を持っているか これは鉄板ですよね!前編の冒頭でも触れた通り、「古典芸能」や「敷居が高い」などが多いのでは、と思っています。実際はどうなのでしょうか。
(2)スーパー歌舞伎を知っているか そもそもの知名度をチェックしようと思います!ちなみにこの質問後にアンケート内で知らない人向けの説明も織り交ぜました。
(3)スーパー歌舞伎と歌舞伎どちらをよく耳にするか 話題性という面ではスーパー歌舞伎の方がネット記事やSNSなどで見かけやすいのではないかと思ったので、アンケートを取って確認しようと思います。
(4)スーパー歌舞伎と歌舞伎どちらを見てみたいか 私たち若者が最新技術が用いられているスーパー歌舞伎と伝統的な歌舞伎、どちらに惹かれているのか気になりました。
(5)歌舞伎をはじめとする古典芸能に対して「このように変わってくれたら見に行きたい」「ここが嫌だ」など何か思うことはあるか 具体的にどのようなことが観劇への障壁となっているのか聞いてみました。
アンケート結果
それでは、実際にどのような結果となったのか見ていきましょう。
(1)歌舞伎にどんな印象を持っているか 予想通りといえば予想通り。やはり「難しそう」「身近ではない」というような印象が多かったです。しかし一方で、少数ではありますがプラスのイメージもありました。
(2)スーパー歌舞伎を知っているか 正直予想がつかなかったのですが、ほぼ半々という結果になりました。 皆さんはいかがでしたか?
(3)スーパー歌舞伎と歌舞伎どちらの方がよく耳にするか これは予想とは裏腹に、歌舞伎が圧倒的に耳にすることが多いことが分かりました。スーパー歌舞伎の話題性に着目していましたが、改めて考えるとそもそもの知名度として歌舞伎の方が普及しているのかな、と思います。
(4)スーパー歌舞伎と歌舞伎どちらを見てみたいか 最新技術が用いられていたり、台詞が口語表現のスーパー歌舞伎が一番人気になるのではと考えていたのですが、こちらも歌舞伎とスーパー歌舞伎が半々の結果となりました。
(5)歌舞伎をはじめとする古典芸能に対して「このように変わってくれたら見に行きたい」「ここが嫌だ」など何か思うことはあるか 自由記述としてアンケート対象者がどのようなことを考えているのか聞いてみたのですが、(1)の結果と似たような解答が多いことから歌舞伎の印象そのものがあまり良くないのではないかと思えてきました。
まとめ・考察
作り手側からはテクノロジーの導入に際して、古典的エキスとの”バランス”に注意しているとともに、導入自体には積極的な姿勢が垣間見えました。スーパー歌舞伎はストーリーの明確さや台詞が口語表現であることなど、アンケートで多くの人が述べていた「難しそう」「内容や言葉が分かりずらい」という部分の解決を試みており、歌舞伎よりも若者向けといえるのではないでしょうか。ただ、知名度という点ではやはり歌舞伎に劣っているのでその部分をどう解消していくかが、新規観客ゲットのための一つのキーポイントなのかもしれません。古典×最新技術、スーパー歌舞伎が今後どのように進化していくのか楽しみですね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました! 皆さんもぜひ、コロナ明けに劇場へ足を運んでみるのはいかがでしょうか?
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