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まさか!?大企業社員の僕がスタートアップベンチャーに参画!?

こんにちは、僕は関西電力に務める9年目の社員です。


現在僕は、関電に籍を残したまま、東京・恵比寿にあるスタートアップで働いている。その期間は昨年11月から半年間+α。サッカーでいうところのレンタル移籍(期限付き移籍)だ。関電でも初の試みとして注目されている。


そんな僕の実体験をもとに、これまでの社会では転職を経験しなければ知りえなかった「異文化で働く」ということ、ジェットコースターのような日々から学んだことなどを、ブログを通じて発信していこうと思う。第1弾のテーマは、「スタートアップに参画する前にやっておくべき重要なこと」。


まずは、僕の経歴から。


2008年のリーマンショック以降の景気低迷で多くの企業が採用数を減らし、就職氷河期の入り口の年ともなったと言われる2010年、新卒で関電に入社。(正直、俺は厳しい就職戦線に勝ったんだ!と当時、無意味な自尊心があったものだ。〈苦笑〉)


その後、2年目まで現場営業を経験し、3年目から4年間は経理畑をひた走り、そして経営企画のイノベーション推進グループに異動した筋金入りの大企業サラリーマン。(一見順調にキャリアを歩んでいるように見えるが、営業時代、経理時代と上司にボコボコにされてきたデキの悪い社員だった。〈苦笑〉誤解がないようにいっておく。いい意味で。育てていただいたなと。)


大企業の社員がスタートアップに参画する背景とは!?

東日本大震災以降、電力会社は大きな転換期を迎えた。原子力発電所の停止、そして電力の小売全面自由化に伴いシェアは奪われ、経営基盤が弱体化。そんな厳しい経営状況の中、関電は「挑む」という中長期計画を2016年に策定した。その中に「成長を加速させるイノベーションの柱を確立する」という文言が記される。そう、電力業界にも電力に留まらない改革が必要な時代がやってきたのだ。


そのためには、社内にイノベーションを推進する人材が重要になる。要は、新規事業創出を担える人材開発のためだ。


僕は入社当時から、電力のサービスエリアを関西だけに留まらずに、もっとシェアを伸ばしていくべきだと考えていたし、電力でも新規事業の必要性は感じていた。なので、経営企画室イノベーション推進グループに異動できたことは、本当に運が良かったと思う。


イノベーション推進グループでは、ビジネスアイデアコンテストを主催する等、オープンイノベーションの推進を担当していた。だから、僕にレンタル移籍の白羽の矢が立ったのかもししれない。とはいえ、まさかスタートアップに参画できるとは思ってもみなかった。


2017年のある日「ちょっと話がある」と部長に別室へ呼ばれた。


上司:「他社に半年間の研修派遣、要はレンタル移籍をしてもらう。今候補にさせてもらっている企業は、スタートアップだ。」


田村の心の声:「・・・・・ええええええ、、、まさか?!!!」


まっさきに頭をよぎったのは、


田村の心の声:「俺がスタートアップでやっていけるのか!?ITリテラシーも決して高くないぞ!」


ちなみに、レンタル移籍とは、大企業の社員を一定期間スタートアップに移籍させる、ローンディールという会社が提供するサービスだ。


プレッシャーも強く感じた。室長には、「君が失敗したら次はないぞ!(笑)」と言われたくらい。そりゃそうだ。会社史上、初めての試みなのだ。(いうまでもなく、この初めてのプログラムを社内で採用するに至るには、上司の奔走があってのことという点は言っておきたい。)

どんなスタートアップにレンタル移籍したのか!?

株式会社チカク。「距離も時間も超えて大切な人を【近く・チカク】できる世界を創る」、そんな方針を掲げて「まごチャンネル」というIoTデバイスを提供している創業から5期目のスタートアップだった。

優秀な社長、事業開発者、エンジニア、カスタマーサポートを抱える10人程度の企業だが、会社概要を調べれば調べるほどすごい!と感じた。まごチャンネルは、スマホで撮った動画や画像を実家のおじいちゃんやおばあちゃんのテレビに送ることができるサービス。

ユーザーからは、直筆の感謝状や青森から大量のりんごを送っていただける。IT企業にもかかわらず、そんなアナログかつ素敵なことが日常的に起こっているのは、本当にユーザー目線のプロダクトを提供しているからだろう。そう思った。


さらに、ハードとソフトを一気通貫して開発し、世代間の縦のコミュニケーションに特化して「親孝行の総量を増やす」こと本気で考えている会社であることを知った。ここまでの紹介だけでおわかりいただけると思うが、全国どこを探してもこんな企業はないだろう。


レンタル移籍の日が近づくにつれて、プレッシャーと不安と期待が入り交じる感情が・・・。 


スタートアップに参画する前にやっておくべき重要なこと

・リーンスタートアップ!


内示を受けてから、先鋭集団が揃うチカクに参画する前に何をすべきなのかをぐるぐる考えていたある日、(ぐるぐる考えて行動に移せていないのは大企業あるあるである)梶原社長からこんな連絡が来る。


「うちにジョインするまでの1週間でこの5冊の本を読んでおいて。」


「リーンスタートアップ」「逆説のスタートアップ思考」「ZERO to ONE」「スタートアップマニュアル」「実践リーンスタートアップ」


特に、リーンスタートアップには感銘を受けた。リーンとは、あのトヨタで開発されたリーン生産方式にちなんだもの。バッチサイズの縮小やジャストインタイムの在庫管理、サイクルタイムの短縮。このような考え方を起業に適用したものがリーンスタートアップの考え方である。


そして、「顧客に対する徹底的な洞察」と「検証による学び」を通じて画期的な新商品を生み出す方法が書かれている。大きく考え、小さくスタートする。具体的には、スピード感をもって構築-計測-学習を回し、ピボット(方向転換)をして、事業をスケールさせる。


これまでのキャリアで、特に経理室に所属していたころには、全く触れてこなかった考え方だった。もちろんイノベーション推進グループでは、デザイン思考を学んだり、セミナーに出てシリコンバレーのトレンドを追うことはしてきたという自負はある。が、それも議事メモを書いて共有する程度しか行動に移せなかったことを振り返ると情けない。


新規事業を自由に開発できる恵まれた環境にあるものの、実際に自ら旗を立てて実行に移すことはできず、顧客と徹底的に向き合うことや検証による学び方も全くわかっていなかったのだと思う。(一応業務外で、子会社支援の新サービスの設計はしていましたが、、、)

そういう意味で、この5冊は自分にとってバイブル的な本になった。特に「リーンスタートアップ」は、ベンチャー参画までの心構えの1つとして必読書だ。

・ツールの進化に慣れておこう!
大企業でのコミュニケーションツールは、メールやビジネス用のチャットツールが一般的だが、規模が小さいベンチャーではLINEやFacebookメッセンジャーでやり取りすることも頻繁に発生する。またSlackの利用機会も非常に増えてくる。


テクノロジーやサービスが日々変化している現在、抵抗感なくビジネスでの使用にも慣れておくことが大切だと思う。


・ 使いこなせるソフトを増やそう!
大企業では、デザインを含めて自らリーフレットを作成したり、POPを作成したりすることは少ない。主に子会社や業者に委託発注をしてリーフレット作りは完遂。


レンタル移籍後のある日、自ら展示用のPOPを作らなければならなくなった。元々あるAiデータをPNGに変換し、切り貼りし、と結構な時間もたついていると、一緒に仕事をしている事業開発責任者の方に「こんなのPDFで簡単にできるから今のテキストデータちょうだい!」と言われ、ものの数分でPOPが出来上がった。


もしかすると、基本中の基本が身についていない僕の能力不足に他ならないかもしれないが、Adobe illustratorやsketchなど色んなソフトを使いこなせれば、業務の幅も広がるし、知っているか知らないかで相当の時間短縮に寄与することは明白だと思う。


まとめ
・リーンスタートアップという考え方、心構えを事前に学ぶべき。
・業務効率化ツールは、最低限使えるようになっているべき。


それに加えて、とにかくなんでも吸収する心意気と向上心!これは必須ですね!
そんなこんなで、本格的な僕のスタートアップベンチャーでの生活が始まる。次回は、プレッシャーを乗り越えるためにスタートアップで心がけることについて、レンタル移籍直後の状況を綴っていこうと思う。

ではまた!

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