見出し画像

ワーママの職場復帰 ロジカルシンキングでリハビリ! 後編

※前編はこちらから 

3. マミーブレインとその後のリハビリ


3-1 復帰後の悲惨な状況

産休・育休前は会社の報奨旅行に行かせてもらえるほど成績上位者だったのですが、復帰直後は本当に無残なものでした。
コールセンターだからPCのブラインドタッチは必須。なのに、できない。
指が動かない。
そもそもキーボードの位置を忘れかけている。
言葉が出てこなくて「えー」「あー」「そのー」が多い。
もうとにかくズタボロ過ぎ、、、、
加えて、仕事復帰したての頃は家事をどうしたらこなせるのかすらわからなくなってました。

子供は18:00までに保育園に迎えに行かないと延長料金がかかる。
会社は遅くとも17:00に出ないと間に合わない。
終業間際にかかってきた電話のせいで業務が終わらない。引継ぎたいのに説明が下手で伝わらない。
家に帰ったら洗濯機回さないと。子供のご飯作らないと。あ、朝お風呂洗ってなかった。明日はごみの日だからまとめなきゃ。しまった!食パン切らしてる。

、、、正直、当時どう過ごしていたのか、よく覚えてませんw。
脳の萎縮が戻るには個人差があるようなので、産後1年以上経過しても私は本当にまだ”絶賛マミーブレイン中”だったかもしれません。
とにかく、毎日が辛く、必死だったことは覚えています。

3-2 転機

職場復帰から半年後、中途採用で8人入社しました。
今思うとこれが転機のきっかけでした。
当時、部署の既存メンバーは8人。一気に倍の人数になりました。
だめだめになっていた私でしたが、本当に「ゼロ」の状態の新人と比べたら知識の面でも、応対の面でも、幾分か私の方ができるところはありました。

知識がない分、自信なさげに話す彼ら。
「私がご報告して差し上げますので」なんて日本語を使っちゃっている彼ら。
なんとなく歩き始めたばかりの娘の姿と重なりました。
母性本能でしょうかw 
まだ「えー」「あー」「そのー」が多く自分のことで必死なはずなのに、なんとなくほっとけなかったんです。

業務知識はサポートせずとも、いずれ経験を重ねれば習得していきます。
ですが大人になって今更、敬語や話し方を教えてくれる人はきっといない。
私も入社してから敬語や話し方について指摘されたことはなく、周りの先輩たちの話し方を聞いて覚えてきた。
新人と先輩が同じ数の状態なら、同期の話し方を聞いて「これでいいんだ」と思ってしまわないだろうか、、、。


3-3 誰かを助けることが自分を助けることになる

そこで、新人たちの話す言葉に注意深く耳を傾けるようになりました。
不思議なもので、自分が話すと言葉が出てこないことが多いのに、人が話しているのを聞くと「あ、今の言葉、使い方違う!」と気付くことができました。
「客観的に聞く」というのが良かったのかもしれません。
間違っている日本語を使っていることに気付いたら、正しい使い方をメールにまとめてチーム内全体にメール配信するようにしました。

うれしいことに既存のメンバーも私の発したメールに目を通してくれ、
「今まで間違って使ってた!教えてくれてありがとう」
「すごく興味深かった。わかりやすくて面白い!」
といったコメントを返してもらえました。

「だめだめな私でも誰かの役に立てた!」
そう思えたことは非常にプラスになりました。
手の空いた時に敬語の使い方、正しい日本語をメールにまとめてチーム内に配信する。
メール配信をする際に心がけたのは”正しい日本語を使うこと”、”どのような伝え方がわかりやすいのか”ということ。
用いたのは「ロジカルシンキング」でした。
具体的には「5w1hの原則」や「MECE」に沿って書く事。
回数を重ねるうちに、このメール配信をすることがだんだん私の”普通”になっていきました。

すると、しばらくして私自身の話し方、業務の効率、お客様からの評価が上がりました。
気付くと「えー」「あー」「そのー」の連発がなくなっていました。
残業も減り、保育園のお迎え時間に遅れることがほぼなくなりました。
「あなたの説明を聞いて安心しました」なんてお客様から言ってもらえたこともありました。

「新人のために」と思って始めたことでしたが、結果的には自分の状況を改善することに繋がりました。

そう、ロジカルシンキングを取り入れたことで私のマミーブレインは見事に追い出せました。
マミーブレインを追い出せたばかりか、物事を先回りして考えることもできるようになりました。
今では日によって、フルタイムの同僚よりも時短の私の方が多くの件数を応対している日もあるくらいです。
ロジカルシンキングをすることが”普通”になった結果、伝わりやすい話し方を身につけ、時間短縮・業務の効率化を実現できるようになったのです。

3-4 ロジカルシンキングの力

そのことに気づいてから、ロジカルシンキングをより社内で広めるようにし始めました。
敬語の使い方や正しい日本語の情報配信のみならず、「伝わりやすい5w1Hの順番」「相手に納得してもらうための話の組み立て方」など、ロジカルシンキングを用いたコミュニケーション方法を配信しています。

勝手にはじめた内容でしたが「わかりやすい」「為になる」と評判をよび、私の「日本語講座」も社内で情報共有に使われている公式のweb掲示板にも載せられるまでになりました。

徐々にロジカルシンキングがチーム内で広まるにつれ、コミュニケーションが円滑になりました。
シフト制であり、「電話」というお客様とオペレーターの1対1の会話の性質上、記録の管理や社内やり取りは文字で行うのが多い職場です。
それまでは、「え?これってどういうこと?」「結局何をしてほしいの?」という引継ぎが散見されていました。
今ではチーム全体で「次に見る人に伝わる」を心掛けるようになったことで無駄な確認が一気に減りました。
記録の整理や読み返しも少なくなり、みんなに時間の余裕が生まれました。

うれしい効果は仕事以外にもありました。
ロジカルシンキングを用いて、家事の情報共有も行ってみたところ、夫との家事分担がスムーズにできました。
(これについてはまた別の機会に詳細をお伝えできればと思います。)

これから職場復帰するけどリハビリに何をしたらいいのかわからない人、仕事と子育てとの両立の効率化を図りたい人、ぜひロジカルシンキングを取り入れていただくことをおすすめします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?