「伝わる」ためのトリビア 声についての豆知識

コロナで保育園の登園自粛があり、すっかりnoteも更新できなくなっていました。緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ油断はできませんね。
仕事も飲み会も、オンラインで行う時代になりました。
対面でも電話でも、共通するのは声。
今回は特に「電話の声」を中心にお話します。

〇聞き取りやすい 良い印象の声とはどのような声か

■声は大きくはっきりと。
大きな声で話すのは電話応対の中でも基本的なことです。どれだけはっきり話していても、声が小さいと相手に自分の声が聞こえませんし、暗いイメージを持たれる可能性もあるため大きな声で話すことが大切です。


■滑舌よく口を大きく開けて話す
口を開かずに話していると、声がこもるのはもちろん滑舌も悪くなります。
相手にとってとても聞きづらい声です。いわゆる「モゴモゴ」して声がこもってしまうパターンです、
口を大きく開けて、滑舌よく話しましょう。


■明るい声で話す
お詫びの連絡や、お悔みのお花の手配のご依頼等は別ですが、
基本的にはTLSの仕事は「旅行の計画」「この商品ほしい!」といった明るいご依頼です。
明るく話しましょう。


■話すスピードを注意する
スピードで大切なことは以下の6点です。

(1)1分間に400字程度の情報を話すのがちょうど良いスピード。 (アナウンサーの話すスピードがこれくらいです。)
(2)対話心理として、自分と同じテンポで話されると心地良い。 
(3)声が重なった場合は相手を優先する。
(4)テンポ・スピードに変化をつけ、会話を平板にしない。
(5)相手の理解やあいづちを考えて、適切な間を作る。
(6)重要な部分はゆっくり話す。


基本的にはゆっくりと落ち着いて話す方が「プレミアム感」や「安心感」が出ます。
しかし、話すスピードは、相手の状態にも合わせる必要があります。
急いでいらっしゃるCMに、ゆっくりとした応対をすれば不快に感じられます。
逆にゆっくりお話なさる方に早口で応対すると急かされている印象を与えてしまいます。
本当に適切な話のスピードは、「相手のテンポ」に合わせたものです。
また対話する心理として、自分と同じテンポ、程よいスピードで、話されると心地良いものです。(ミラーリング、またはミラー効果と呼ばれるものです。)

また、電話の最初の「あいさつ・社名・名前」の名乗りや、最後の「名乗り・お礼・あいさつ」のクロージングの部分は、特にゆっくり、はっきりと話すことを心がけてください。

〇人の声の高さと電話(機械)の話

音の高さを表す単位にヘルツ(Hz)があります。
音は空気が振動することで発生します。音には「強さ」「高さ」「音色」の3つの要素があり、「高さ」は振動の速さ(1秒間に何回振動するか)で決まります。
この振動数を「周波数」といい、一般的に「Hz(ヘルツ)」という単位で表現されます。
数値が小さい(振動がゆっくり)と低い音、数値が大きい(振動が速い)と高い音になります。
人の耳で聴くことができるのは、一般的には 20Hz~200,000Hz(20kHz)と言われています。
概ね 250Hz 以下が低音域、250Hz〜1,000Hz が中音域、1,000Hz 以上が高音域となるそうです。


人が音として認識できる周波数の範囲(可聴帯域):20Hz~20000Hz程度
人間の声の周波数:だいたい100Hz~1000Hz
成人男性 100Hz~500Hz 前後 
成人女性 300HZ~1000Hz 前後

固定電話が対応している帯域:300Hz~3400Hzの範囲
携帯電話が対応している帯域:50Hz~14400Hzまで


「鈴虫の音色は電話だと聞こえない」ということを知っている人も多いと思います。
鈴虫は大体4000~4500Hzくらいだそうです。
(ちなみによく聞く“モスキート音”は一般的に17000Hz以上の周波数をさすようです。)



固定電話が対応している音の帯域は3400Hzまで。
対応可能な帯域を超えてしまっているため、鈴虫の声は電話では聞こえないのです。

お気付きでしょうか?
電話は300Hz~3400Hzの範囲しか音を拾いません(伝えません)。
音が高い鈴虫の声が電話で聞こえないのと同様に、声の低い男性(300Hz未満)も残念ながらそもそも電話で声を伝えることができません。
もう少し詳しく人の声の高さを解説します。

人の声を音階に照らし合わせるとおおよそ以下のようになります
(音階名は国際式音名表記です。C4=ピアノ鍵盤の真ん中のド です。)

 成人男性 100Hz~500Hz 前後  
     ≒ ソG2(97.999Hz)~ドC5(523.251Hz)
     ※中央値 300Hz ≒ レ♯ D#4(293.665Hz)

 成人女性 300HZ~1000Hz 前後  
     ≒ レD4(293.665Hz)~ドC6(1046.502Hz)
     ※中央値 650Hz ≒ ミ E5(659.255Hz)

個人差もありますし、話している声は常に一定の高さではありません。
抑揚の付け方により、常に声の高さも変動しています。
あまりいらっしゃらないと思いますが、もし声が低く「聞こえづらい」と言われることがあるなら、高めの声を意識してください。
声が低めの男性は電話に拾ってもらえるように300Hz以上の高い声を出すだけで電話で聞き取れる声になります。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?