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1月の本


年が明けた日に
ウイルス胃腸炎により
発熱嘔吐。
三ヶ日はそのため高熱。

そしてこちらに帰ってきてからも
しぶとい咳が三週間続き、
今年になってから
体調のいい日がない私が
今のコンディションを絶好の機会として
これでもか!と
読み耽った本たちです。

『土偶を読む』 竹倉史人 / 『家族って』 しまおまほ
『老人と海』 アーネスト・ヘミングウェイ
『自分ひとりの部屋』 ヴァージニア・ウルフ
『私は男でフェミニストです』 チェ・スンボム


『土偶を読む』以外は
今の私が
探していることや
考えていることが
現れているかもしれません。
(土偶話はまたこんど)

その中の2冊にまつわる
お話を少し。
書評ではありません。

『私は男でフェミニストです』 チェ・スンボム


10個下の友人に貸していた本が
戻ってきたので
もう一度読んでみました。

その友人は『国際女性デー』に
ミモザをくれるような女性。

この一冊をきっかけに
フェミニズムの本を他にも
数冊読んだそうです。

その子を見ていると、
いつも勇気が湧いてきます。

おうえんしたくなる、可愛さと
おうえんしてくれる、力強さがあります。

『家族って』 しまおまほ


作家の島尾敏雄・ミホご夫妻の孫娘で
写真家 島尾伸三の娘でもある
しまおさんですが、

もう15年ほど
TBSラジオリスナーの私にとっては
面白カルチャーお姉さん、
としての認知の方が早く

宇多丸さんのウィークエンド・シャッフル
(アト6になってからは全然聞かなくなってしまいましたが)
に時々訪れるしまおまほ回は

やったー!!しまおまほ!!と
いつもにこにこして聞いていました。

ふと、
このエッセイを見つけて
しまおまほさんの
出産、子育て、家族、暮らしって
どんな感じなんだろう?

同年代の友人たちがSNSにあげる
"家族のかたち"
がこの年齢になっても
いまいちピンと来ていない自分は
おかしいのかなあ、

などと思っていたので
読んでみました。


故郷を離れ、
単身北陸での暮らしを始めたのですが

ひとりで
何かに感動したり
考えたことを
他人の感性によって
形が変えられる前に

心の箱に
ひとつひとつ、
静かにしまっていく作業を
大切にしている私にとって

今の暮らしは大変心地よく
こちらにきて一度も
"寂しい"と
思ったことがありませんでした。

(誰かの箱を見せてもらうのは
 大好きです。)


でも、
このエッセイの
「ばんちゃん、歩く。」と
いう話を読み終わった後

初めて寂しくなって
少し、
涙が出ました。



しまおさんの息子、
ばんちゃんと
保育園から歩いて
家まで帰る話なのですが

途中から回想となり
3.11の夜に職場から家まで
歩いて帰った記憶が語られます。


その話がね。
とても、
よかった。

自分の記憶の
3.11とも重なりました。


自分がなぜ
ひとりが好きで
それを選ぶのか
理由も分かっているつもりでした。

誰かといることで
自分がひっそり大切にしていることや
自分らしさというものが
書き換えられてしまう気がして
それが怖いと思っていました。


でも少し、
考え方が変わりました。


私みたいな気持ちでいる
同年代の女性にも読んでほしいな。


以上、今月の本でした。

皆さまもおすすめの本
教えてください。

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