【439/1096】悲しみの共有
夫ときみの話を毎日している
生きていても
ここにいなくても
きみの話ばかりしている
いつも心配していたし
いつも幸せを願っていた
はじめての子育て
3人になって家族になった
楽しいことばかりでなく
喧嘩したり話し合ったり
いろんな山をのりこえて
ここまで来た
きみの未来をずっと願っていた
そんな二人が悲しみを
共有する仲になるなんてね
夫は私を責めない
わたしは夫を責めるときがある
きみがいてもいなくても
わたし達は揉めているし
互いを支えて合ってもいる
夫婦とは不思議で複雑な
関係性だなと思う
なにがしかの縁あって
夫婦になるんだろう
楽しみも喜びも共有してきた
いろんなときをともに過ごした
いまは同じ悲しみを持つ人
同じ悲しみを共有できる
唯一の人になるんだろう
悲しいことを悲しいねって
同じように思う
悲しみについて
互いに話せるようになった
すこしずつ進んでいるのかもしれない
互いを思いやれるよう
気をつけているけれど
抑えきれない思いもあり
辛くあたってしまうときがある
これ以上傷つかなくていいのに
静かに生きればいいのに
どうしようもない感情に
振り回されている
感情はどうすることもできない
信じられないほどの
悲しみなんだなと
今ごろになって痛感し
悲しくて悲しくて
情けない日々を送っている
下の子が支えだ
あの子は幸せに生きている
元気でがんばっている
かわいくて救われる
なにもないわけじゃなかった
理屈でなんとかなる日々はすぎ
実感しながら苦しいとて
それもきみを含めた
我が人生なんだろう
受け入れることの大きさに
疲弊する
きみはいつも難題だ
今日もありがとう
残された者の日々