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【598/1096】空から空になるだけ

自分になる前は空で
いつか消えたらまた空
空から空へ
その間はつかの間のうたかた
きみは空へ消えた
消えた?戻った?
どっちでもいいか
現世はあっという間
きっとまたちりになるのだ
風のように消える日が来て
また空になる

仏教的な考えが好きだ
空 という概念
阿弥陀さまにお願いして
他力本願でもいい
どんな人にも救いがある

この世のもの 万物は
網目状に絡み合って
それぞれが影響し合って成り立って
どこかがかけてもよくなくて
自分というものは
その流れの一部なのだそうだ

生きる意味のあるなしの前に
いることそのものが大切で
いることそのものに意味がある
意味があるからそこにある
道ばたの石ころにも意味があって
そこに存在するらしいわ

自分とはなにか
それらを考えるときもあるだろう
生きる意味とか 存在の意味
そもそも生まれたくなかったとか
いろんな意見がある

宇宙的にいえば
生まれた意味はあるし
存在に意味があっていまがある
生きてる時間は暇つぶし
そういう人もいる
なにかに真面目に取り組んだり
成功 成果をあげなくてもいい
人は自由で 
いること自体が素晴らしい
そんなこと信じられないかな

きみも いたこと 
それ自体が奇跡だったのに
その内訳 意味を問うたんだろう
自分を好きでいなければ
きっと生きられない世の中で
苦しんだのではないか
きみという人間が存在してること
そこに意味があったんだけどね

死んでみてわかったことがある
そう言っていた らしい
でしょう?
わかった?
どんなにきみのことを
わたしや彼やあの娘が
思っていたこと
どんなに愛があったか
愛とかそれ以上のものだったけど
きみのそれは止められず
今に至る

きみの世界はきみのもので
わたし達の力及ばぬことがあって
きみはきみの意志 病で
消えてしまったのだろうね

はたから見れば
救えなかった親なのだけれど
主観で見みると
またちがった視点がある

空から空になっただけ
もともと存在していなかったけど
生まれてきて
出会ってしまったから
ただの空でなくなったから
消えてしまえば悲しいよ
けれど いつか自分も空になるから
今生は懸命に生きようと思う
やることやってから
消えられますように
きみの分も とかは言わない
わたしはわたしの分だけ
懸命に生きる

いつもありがとう
残された者の日々