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【262/1096】だからといって

不在の理由がわかってきた
だからといって救われるわけでも
なにか好転するわけでない

「事実は好転しない」
専門家の言う通り その通り

でも考えてしまう
あのとき あのこと 
ほんとはああだったのかな
そしたらこうしていればと
タラレバを薄く考えてしまう
しっかり考えても取り返しがつかない
自分のやるべきことが
真逆の現実に
自罰が強まっても意味がなく
ただ後悔するだけ
タラレバはできない

自己啓発的なものも
読んだり聞いたりして
マインドセットしているが
一時のこと
違うことであれば進める道も
生死のこととなれば
もはやマインドなぞ
変えようが意味はない
切り離した現実を生きていくためには
有効
悲嘆にはほぼ無効
悲嘆は這いつくばるように
苦しみながら進むしか術がなく
ほとんどの人が
同じ道を辿れないし知らぬ道
自分で開墾していく悔恨の道

いろんな手法は助けの手立てにはなる
けれど解決の道はないのだなと
自覚を強くする
回復もないし解決もなく
ただ慣れるために
新しく世界を生きていくために
役に立つマインドセット

常識の外側
ほんとに想像を超えた世界
同じ境遇の人でさえも
分かり合えない世界なんだと
ぼんやり実感していく

雨のやんだ外は
久しぶりに明るい
日々の細々とした予定や仕事をこなし
先のことも考えられる
ただきみの事だけが
ピン打ちされて動かない
死ぬってそういうことなんだね
時間が止まりなくなること
周りだけが変化しつづいて
動いていく
きみの世界は消えて
きみをふちどる空白が残り
わたしたちは大きな喪失を
抱えて毎日生き延びている

ため息がでようが
悲しくなろうが
ときに消えたくなっても
生きるしか選択肢はない
生きることを選びたい

生への執着がなくなったのだね
きみはもうここに
魂さえもいないのだろう
ときおり のぞきに来るくらいで
生きていることに
こだわりや未練なんて
なかったんだね
今はそうおもうよ

ごめんね
ありがとう
出会えて良かった
過ぎてしまえば
とても短い時間だったけれど
きみとのすべてを
大切に思うよ
ごめんね

今日もありがとう
残された者の日々