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【606/1096】きらめき

きらめく川面
ゆらゆらゆらぐ
橋の欄干から
しばらくみつめたまま
あの日のことを思う

きみを喪って
どうしようもなくて飛びだした夜
ここから飛び降りたなら
きみのところへ行けるだろうか
この高さでは足りないか
しばし見つめた川面
あの時と同じ場所

朝日に光るきらめき
春の風がそよぐ
さわやかさを感じるよい季節
わたしはいまも生きている

たくさんの日々をへて
同じものが違って見える
生きていてよかったのだと
安堵する
とにかく生き続けること
リフレインされるセリフ
生き続けること
それのみ

生があればなんとかなる
孤独のようで孤立はしていない
誰もひとりでないのに
なぜひとりになっていったのか
きみの消えた理由は謎のまま
渡された課題を解く旅

旅はつづく
川から海へこぎ出そう
水面に思いをはせながら
帰路へつく
家に帰ろう
1日ははじまったばかり

今日もありがとう
残された者の日々