【489/1096】失ったのは気力

根本的になくなったもの
気力
覇気ともいえる
なにか燃えたぎるもの
それらは鎮火した
マグマさえもない
根こそぎなくなった

小さな命の灯火だけ残された
儚げに灯されている光
弱く優しく光る

気力がないとできない仕事や
生活もある
表面的なもので補う
枯渇したものを燃やすのでなく
燃やしているように装う
人は案外丈夫だしなんとかやれる
ないものをふりしぼっても
疲れるだけ　疲弊は困る
あるように振る舞う
笑っていればバレない

バレなければいい
そういう問題ではないのだが
バレない方がお互いにいいだろうと
慮っているのだ
知らなくていいことはある
知らせなくていいこともある
正直だけが誠実ではない

気力がないまま
あと数十年　生きられるだろうか
新しい試み
宇宙に行くより大変かもね
燃料がないんだもの
省エネでも足りない

太陽を浴びて
光合成するしかない
陽の光は栄養になる
こころの栄養を増やせば
なんとかなるかもしれないね

体力で補うことも可能だろう
食べて寝て運動すれば
身体の機能はキープできるな
運動するのも気力がいるか
うーん　困った

気力はまったくのゼロではなさそうだ
ほんの少し　お慈悲で残されている
小さなひとつぶてだとしても
残されているものはありがたい
今あるものでなんとかやろう
ここまでもそうして生きてきた
お慈悲よ　ありがとう
お慈悲で生きていこう

今日もありがとう
残された者の日々