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『HUNTER×HUNTER』感想文 クラピカと幻影旅団のこれから

どうも、流-ながる-です。
読んでいる漫画の着眼点を感想としてまとめようという試みです。

『HUNTER×HUNTER』を再読してからというもの、次々と波紋のように疑問点が出てきすぎたというのもあって、読み方を整理したいと思いました。
感想なのか、考察なのか、自分でもわからない。
それでも今後読んでいくうえで着目したいポイントを書いていこうかなって思った次第です。手探りですがね。

※当然ながら『HUNTER×HUNTER』知っているよ!という方向けの話になります。読者じゃない方は「なんのこっちゃ」となる話です。これから読むかも、読もうと思っていらっしゃる方は是非原作を楽しんでくださいね。

自分の読み方のスタイルとして、漫画をそのまま読み、楽しんだ後にしたいことは、テーマを持って読むこと。何に注目して読むかを決めて読み込むことですね。テーマはいくつあってもよい。

今後、不定期での掲載が発表されて続きがいつなのかというのは全くわからない状態なんですが、今後読み進めていくうえで着目したいポイントがあったのでまとめてみようと。

それは「クラピカは幻影旅団を許すのか」という点です。赦すのほうがニュアンスとしては合っている? という感じでしょうか。そもそも今の局面で接点ができるのかというところも怪しいくらいですね。そんな着目しても特に今後それが描かれる可能性があるかどうかもわからないので、考察とも言えないし、展開予測とも言えないしという本当に感想の延長という感じです。

登場人物にそれぞれ“業”があるように見える話

読者の数だけ漫画の見え方ってあるって思っていまして、自分の『HUNTER×HUNTER』の見え方のひとつに”登場人物の業”というのがあります。漫画ですから全員が全員、詳細に人生が描かれるということはないので、どうしてもメインキャラクターにスポットがあたるわけですが、スポットがあたるだけその"業"も深く描写されているなと思っています。そこが好きなんです。何か”業”を背負って生きている。

幻影旅団って登場人物として魅力的で、何より強いしかっこいい。いや、強いからかっこいいって感じ。強者の余裕や畏怖を抱かされる演出も素晴らしく、ただそこに立っているという描写なのに近づいてはいけないと思わせるような圧があるんですよね。それでこの旅団というのが初めて語られた時から”業”を持っている。

こちらの認識として、旅団はクラピカの仇で、クラピカは主人公のゴンの友達で、その視点で見るとクラピカを悲しませた人たちというのがあり、彼らが起こしたその過去の事件がずっと作品に重くのしかかり、彼らの”業”として存在している。この”業”がどうなるのかというのがひとつ気になっている点なのです。

クラピカの復讐譚の認識

クラピカの復讐譚というのは終わっているのかという点については、自分は終わっているのかなと思っています。同胞がされたことはウボォーギンに、自分がされたことはクロロにお返しをしたと見ています。見方によっては、いやまだまだ旅団を捕らえていないじゃないかとなるんですけどね。
賞金首ハンターとしての仕事として狩るのとは別問題で、復讐は私怨なので何をもって復讐とするのかの基準はクラピカが決めることだと思っています。今後なんらかの言及があれば認識が変化する可能性大ですが、現在の自分の見え方としては復讐はひとまず終わったように見えた。

  • 同胞が受けた被害→ウボォーギン戦

  • 自分が受けた孤独→クロロに念の刃

しかし復讐が終わろうが、終わるまいが、赦すのか、赦さないのかはまた別の話なんだという認識です。クラピカが赦すのかどうかで旅団(クロロ)の”業”が消えるというか、なんらかの変化があるのではないのかって思っています。
旅団ってずっと出てきていて変化しているというか、特にヨークシン編での変化が著しい。掟を絶対としているのに、最後には掟を破る旅団員がいて、その旅団員に他の旅団員が影響を受ける。
その後もいろいろな出来事が起きて、それこそ旅団存続や存在意義に関わるような重大な出来事だらけだなと思っています。これだけいろいろ起きているのに何も変化しないなんてことはないよな、と勝手に思っています。心境の変化、行動の変化、今後のシナリオでの個人的注目ポイントです。
はじまりはクラピカとの出会いであろうし、旅団がクラピカの存在を認識した、何者であるかを知った、過去の業と向き合うなんてこともあっただろうか、そんなことを思います。全部想像ですけど。

旅団に何が起こっているのか、それらをふまえてクラピカは赦すのか、そもそもの発端であるクルタ族の事件の動機は何か、まだまだわからないことだらけです。

赦しの物語になるのか

ここからは予想というか妄想の話。
クラピカは赦すのかについては赦すのかな、といった感じがします。

読者はクラピカの事情をあまり詳しく知らないんだと再読して思いました。仇が旅団というのは知っていましたが、彼の持つ決意の内面というか端的に言うと苦しみというものがはっきりしません。自分はあまり想像力がないので、それを感じ取ることが出来なかった。
でもふと考えたら、彼がクルタ族の事件の関連で苦しんだり悲しんだりしている場面ってかなり少なく感じました。悲しみを表すのなら父母や友を想って涙を流したり、誰かにそれを打ち明けて慰めてもらったりするなんてこともあり得たなと。
でもそんな場面は少ないんじゃないのって思いました(むしろないのではと思うほど)。彼を表すものとして“怒り”に重点が置かれているからかもしれません。
復讐のさなかでの苦しみは感じ取れましたが、復讐することそのものが苦しいみたいな印象です。あくまで自分が読んで思ったことですね。

で、何が言いたいのかというと、それがないから、赦すという展開がきても、自分はすんなり読めるってことです。具体的に詳細に描かれているなら、

「君をそんなに苦しめたやつを、家族と友達をあんなに酷い目に合わせたやつを赦してしまうの?」

と疑問に思ってしまう。ほんとに単純にそう思ってしまう。

ヨークシンの時にしろ、ゴンとキルアを即座に優先というのは読者からしたらかなり自然だけど、事件より数年も胸の内に秘めてきた彼の至上目的を考えると葛藤があって当たり前でもあるなと。
過去のクラピカの人生が鮮明でないから読者である自分は、仲間をとるクラピカの選択をすんなり読むことができた。読後すべてすっきりというわけではないですが。
今の情報だけなら赦さないだろうというのはありますが、赦すという方向性にも進む可能性はあるのかもと思いました。

クラピカ自身の業も含め旅団の業、それが今後どう描かれるのか、そこに着目したいなと思った話でした。
ここまで読んで下さりありがとうございました。

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